大学院理工学研究科の旭置 修哉さんが日本非破壊検査協会新進賞を受賞しました【10月29日】

 令和2年10月29日(木),大学院理工学研究科生産環境工学専攻修士1年の旭置 修哉さんが,“日本非破壊検査協会2020年度秋季講演大会”において新進賞を受賞しました。対象論文は,旭置 修哉,森山 敬介,水上 孝一,宮地 航,木村 憲志,「CFRP層間はく離の可視化と寸法評価のためのアレイプローブ渦電流探傷試験」です。

 新進賞は日本非破壊検査協会の講演会において優れた発表を行った若手研究者に対して与えられるものです。

 本講演論文は,炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に欠陥・損傷として発生する,層間はく離を検出するための非破壊検査技術について報告したものです。電磁誘導現象を使って導電性材料を検査する手法である渦電流探傷試験を使って,層間はく離の可視化と寸法評価を行う方法を提案しています。CFRPは異方性と非均質性を有する多層板構造の材料であるため,従来の渦電流探傷試験法で層間はく離を明瞭に可視化することは困難でした。当研究ではその課題を解決するためのコイルアレイプローブ渦電流探傷試験法を提案し,導電性のばらつきに埋もれずに高いSN比で層間はく離を可視化することに成功しています。また,アレイプローブの複数のコイルの信号を比較することで,層間はく離の寸法評価も可能となることを明らかにしました。以上のように渦電流探傷試験の適用可能性を拡大した点が評価され,今回の受賞に至りました。

賞状
受賞した旭置修哉さん
 

工学部本館南側広場愛称の決定について

 令和2年11月25日(水)11:30から,工学部本館南側広場において,大橋学長はじめ多数のご出席のもと,広場改修工事の完成披露式が行われました。 
 平成31年4月からの構内全面禁煙に伴い,同所にあった喫煙所を廃止し,学生の食事場所,教員と学生の交流の場所として改修されたものです。ウッドデッキ調のベンチとオレンジ色のパラソルが明るい日差しに照らされ,学生の笑い声が響く新しい空間が完成しました。

新たな広場の様子

 

 完成を受けて広場の愛称を学内で募集し,40名の学生・教職員から39件の応募があり一次選考を経て選ばれた7点から投票によって,「e-スクエア」と決定しました。
愛称の命名者の理工学研究科博士前期課程1年 酒井 孝一郎さんには,学長から副賞が贈られました。

学長から副賞を受け取る酒井さん

 e-スクエアが学生,教職員はもとより地域の皆様に気軽にご利用いただき,城北キャンパスの新しいスポットとなりますよう願っています。

「e-スクエア」命名の意図
 「e」は、愛媛大学のeやエコロジーのeなど、人それぞれ思い浮かべるものはいろいろあるでしょう。
  それを2乗(スクエア)するのと広場(スクエア)をかけて「e-スクエア」と命名しています。

大学院理工学研究科博士前期課程2年生の内田 龍之介さんと杉本 大志 助教が2020 International Conference on Big data, IoT, and Cloud Computing (ICBICC 2020)(オンライン開催)でExcellent Oral Presentation Awardを受賞しました【10月9日(金)~11日(日)】

 令和2年10月9日(金)~11日(日)に東京都立大学 秋葉原サテライトキャンパスならびにオンラインで開催された「2020 International Conference on Big data, IoT, and Cloud Computing (ICBICC 2020)」において、大学院理工学研究科博士前期課程2年生の内田 龍之介さんと杉本 大志助教が「Excellent Oral Presentation Award」を受賞しました。

 本賞は、特に優れた講演を行った者を対象に与えられます。

 講演した論文の題目は「An Experimental Study for Tracking Ability of Deep Q-Network under the Multi-Objective Behaviour using a Mobile Robot with LiDAR」です。本研究は、都築 伸二 教授と杉本 助教の指導を受け、高齢者の見守り問題に焦点を当てたものとなります。特に内田さんは2次元レーザスキャナ(LiDAR)と複数センサを用いた移動ロボットの為の情報処理機構を構築し、杉本 助教が自律移動アルゴリズムの構築を担当する事で、本ロボットの有用性をシミュレーション並びに実環境下に於いて明らかにするとともに、今後の自律移動ロボットの抱える課題と得られた知見を提示しました。

 内田さんと杉本 助教によるこれらの研究の着眼点と的確な発表・質疑応答の様子が評価され、今回の受賞に至りました。

                                          賞状

大学院理工学研究科博士前期課程2年生の中岡 典弘さんが電子情報通信学会ディペンダブルコンピューティング研究会の第7回研究会若手優秀講演賞を受賞しました。

 令和2年11月17日,大学院理工学研究科博士前期課程2年生の中岡 典弘さんは,昨年の11月13日(水)-15日(金)に愛媛県男女共同参画センターで開催された「デザインガイア2019 ~VLSI設計の新しい大地~」において発表した論文が,電子情報通信学会ディペンダブルコンピューティング研究会(以下DC研究会)の第7回研究会若手優秀講演賞を受賞しました。
 本賞は,毎年6月1日より翌年5月31日までに開催されたDC研究会が主催する研究会において特に優秀な講演(総講演件数の上位5%)を行った33歳未満の若手研究者や技術者を対象に,DC研究会若手優秀講演賞が与えられます。
 講演論文では,先進自動運転システム向けの車載大規模集積回路の高度な品質を保証するために開発されている,マルチサイクルテストスキームを用いたパワーオンセルフテストにおける故障検査の困難さの問題を解明しています。具体的には,テストサイクル数の増加に伴って被検査回路自身が生成するテスト用データが,新たな縮退故障を検出することが困難となる「故障検出能力低下問題」に対して,確率ベースのテスタビリティ評価尺度を利用して,故障検出能力低下問題のメカニズムを解析しました。なお,本研究成果は,王 シンレイ 講師,樋上 喜信 教授,高橋 寛 教授の研究チームがルネサスエレクトロニクス株式会社と取り組んでいる共同研究「先進自動運転システムの機能安全強化技術」の一部です。

受賞した中岡 典弘さん

【受賞論文】

中岡典弘, 青野智己, 工藤壮司, 王 森レイ, 樋上喜信, 高橋 寛(愛媛大), 岩田浩幸, 前田洋一, 松嶋 潤(ルネサスエレクトロニクス), “確率ベース手法を用いたマルチサイクルテストにおけるキャプチャパターンの故障検出能力低下問題の解析”,信学技報 119(282), 145-150, 2019-11-13

 

 

ガジャマダ大学工学部とオンライン交流会を開催しました【11月17日(火)】

 本学工学部とガジャマダ大学工学部は,2007年に大学間の学術交流協定を締結後,交換留学を含む複数の学生教育プログラムや共同研究を通して毎年交流が行われています。
 今年度は新型コロナウィルスの影響により交換留学が中止となってしまいましたが,留学の見通しが立たない学生に国際交流の場を提供したい,また,来年度留学を希望している双方の学生に情報を発信したい,との思いから11月17日(火)にオンライン交流会を実施いたしました。この日は双方の大学から教職員及び学生ら約90人が参加しました。
 まず,安原英明教授及びIndra Perdana国際担当准教授から各大学の紹介が行われ,Waziz Wildanガジャマダ大学工学部長からもご挨拶がありました。
 また,「Online Campus Tour」では,各大学の学生・職員が作成したキャンパス内の動画をみながら実際に大学を訪れた気分に浸ることができました。
 最後に,参加者との質疑応答や意見交換が行われた後,昨年度交換留学に参加した学生から懐かしい写真や動画の紹介があり,大変有意義な時間となりました。

 

 

大学院理工学研究科の船場海斗さんが4DFF Student Awardを受賞しました【令和2年10月16日】

 令和2年10月16日(金),大学院理工学研究科生産環境工学専攻修士2年の船場海斗さんが”Conference on 4D and Functional Fabrication 2020”においてStudent Awardを受賞しました。対象論文は,船場海斗,水上孝一,古賀洋一郎,「振動透過抑制可能な複合材ラティス構造」です。4DFF Student Awardは当講演会において優れた発表を行った学生に対して与えられる賞で,本講演論文では,炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の3Dプリンティング技術を用いて,軽量性と高い剛性,振動透過抑制機能を併せ持ったメタマテリアル構造を提案しています。軽量かつ高剛性な構造で機械振動のような低周波振動の抑制を両立させることは一般的に困難であるとされてきましたが,そのような課題をCFRPの3Dプリンティング技術を用いた剛性分布のテーラーリングを利用して解決した点が評価され,受賞に至りました。

受賞した船場海斗さん
 

理工学研究科 日向 博文教授らの研究開発プロジェクトがNEDO「ムーンショット型研究開発事業」に採択されました

 日向 博文教授らの研究開発プロジェクトがNEDO「ムーンショット型研究開発事業」に採択されました。
 内閣府が主導する「ムーンショット型研究開発制度」は、我が国発の破壊的イノベーションの創出を目指し、従来技術の延長にない、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発(ムーンショット)を推進するものとして創設されました。
 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、ムーンショット型研究開発事業に関する業務を行う研究推進法人として、CSTI が決定したムーンショット目標と、経済産業省が策定した研究開発構想を踏まえ、
ムーンショット目標 4︓「2050 年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現」を達成するために、挑戦的な研究開発を実施します。
 具体的には、地球温暖化問題、窒素化合物による環境汚染問題、海洋プラスチックごみ問題などの解決に向け、
(1)温室効果ガスを回収、資源転換、無害化する技術の開発
(2)窒素化合物を回収、無害化、資源転換する技術の開発
(3)生分解のタイミングやスピードをコントロールする海洋生分解性プラスチックの開発
に取り組みます。

研究開発プロジェクト概要

研究開発プロジェクト名:
非可食性バイオマスを原料とした海洋分解可能なマルチロック型バイオポリマーの研究開発
プロジェクトマネージャー:
国立大学法人東京大学 伊藤 耕三 教授
実施体制:
国立大学法人愛媛大学(研究代表者︓日向 博文 教授)
国立大学法人東京大学、三菱ケミカル株式会社、株式会社ブリヂストン、帝人株式会社、
株式会社クレハ、国立大学法人九州大学、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学、
国立大学法人山形大学、公益財団法人地球環境産業技術研究機構、
国立研究開発法人産業技術総合研所、国立大学法人東京工業大学
事業期間:
2020 年度から、最長 10 年間

プロジェクト概要:
本プロジェクトでは、使用時には通常の石油由来のポリマー並みにタフで、使用後は海洋などの環境における外部刺激によって速やかに分解する 「マルチロック型バイオポリマー」 の開発を目指します。
これにより、高分子分野における地球温暖化問題および環境汚染問題の同時解決を目指しています。一般的にプラスチックの強靭性と海洋分解性(生分解性)はトレードオフの関係にありますが、本プロジェクトではこれらの両立を可能とします。
愛媛大学の役割:
・研究開発項目名:
E4bc
海洋環境におけるマルチロック型バイオポリマーの長期動態・生態影響予測システムの開発
(実施体制:愛媛大学-再委託-東京理科大学)
・研究開発の内容︓
愛媛大学と東京理科大学では以下の内容に取り組みます。
マルチロック型バイオポリマーの海洋環境中における長期動態及び生態影響を予測するシステムの開発。

【関連サイト】

「ムーンショット型研究開発事業/2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現」に係る実施体制の決定について(外部サイト)

(12月2日(水)13:00~)高機能材料センター産官学連絡会をオンラインで開催します

 工学部附属高機能材料センターでは、12月2日(水)に産官学連絡会を開催し、センターの活動や教員の研究内容紹介及び個別相談会などをオンラインにて行います。詳細は以下のポスターをご参照ください。

 なお、高機能材料センターホームページからもお申込みは可能です。ホームページへは、こちらからアクセスしてください。

 お申込みの際には、お問い合わせの用件から「連絡会の申込」を選択し、必要事項(役職名、ご所属、電話番号、個別相談会の希望について)を内容欄にご入力の上、送信して下さい。

 お申込みいただいた方には、オンライン会議のURL、ID、パスワード等を追ってお知らせいたします。