愛媛大学工学部及び新居浜工業高等専門学校による令和6年度研究交流会を開催しました【3月5日(水)】

令和7年3月5日(水)、新居浜工業高等専門学校において、愛媛大学工学部と新居浜工業高等専門学校による令和6年度研究交流会を開催しました。

この研究交流会は、愛媛大学工学部と新居浜高専との連携研究ならびに教員・学生の交流を促進し、共同研究の成果をもとに共著論文や外部資金獲得へつなげることを目的としており、今回で7回目の開催となりました。

今回の研究交流会には、工学部長、新居浜工業高等専門学校長が参加され、愛媛大学工学部長裁量経費として連携研究促進支援に採択されている研究プロジェクトの研究成果の発表が3件、そして、新たな研究シーズ開拓のための発表が4件、計7件の発表がありました(プログラム参照)。研究分野の異なる教員が一堂に会しての研究交流会となり、質疑応答においては、異分野の貴重な研究内容に対して、活発な意見交換や今後の研究における協力の依頼する場面がありました。

また、新居浜工業高等専門学校の研究施設「高度技術教育センター」の見学も行いました。電波暗室や透過型電子顕微鏡など、貴重な機器や施設を見学し、愛媛大学工学部の教員たちからは興味や感嘆の声が上がる場面も見られました。

 

愛媛大学-新居浜高専 令和6年度 研究交流会 プログラム】

01. 開会挨拶 新居浜高専 校長 鈴木 康司

02.  連携研究紹介
〇研究課題「モンテカルロシミュレーションによる低密度ポリエチレンの電荷輸送特性の解析」
                  愛媛大学研究代表者:電気電子工学講座 教授 尾﨑 良太郎
                      新居浜高専:電気情報工学科 准教授 大野 玲

 【発表タイトル】モンテカルロシミュレーションによる低密度ポリエチレンの電荷輸送特性の解析
                  愛媛大学研究代表者:電気電子工学講座 教授 尾﨑 良太郎

〇研究課題「発光色が劇的に変化する光スイッチング分子の合成と光物性評価」
                  愛媛大学研究代表者:応用化学講座 講師 石橋 千英
                      新居浜高専:環境材料工学科 教授 高見 静香

 【発表タイトル】有機リン化合物の新規合成法開発とその応用
                       愛媛大学:応用化学講座 講師 太田 英俊

〇研究課題「高強度高延性分散強化バイモーダル合金の粗大粒/微細粒界面量の最適化」
                  愛媛大学研究代表者:機能材料工学講座 講師 阪本 辰顕
                      新居浜高専:環境材料工学科 教授 志賀 信哉

 【発表タイトル】バイモーダル組織を有する分散強化アルミニウム合⾦の粉末冶⾦法による⾼強度・⾼延性化
                  愛媛大学研究代表者:機能材料工学講座 講師 阪本 辰顕

03. 研究施設紹介

04. 研究シーズ紹介
・分析電子顕微鏡を用いた金属材料研究    新居浜高専:環境材料工学科 准教授 當代 光陽

・培養細胞を用いた食品抽出物の機能性評価および材料の細胞毒性試験
                      新居浜高専:生物応用化学科 助教 田頭 歩佳

・B-スプラインを⽤いたベイズ形状最適化による流れの効率化
                       愛媛大学:機械工学講座 教授 岩本 幸治

・大規模集積システムの高信頼化設計に関する研究
                       愛媛大学:情報工学講座 講師 王 森岭

05. 閉会挨拶 愛媛大学工学部長 森脇 亮

新居浜高専・鈴木康司校長による開会挨拶
尾崎先生による連携研究報告
共同研究者・大野先生によるコメント
太田先生による連携研究報告
共同研究者・高見先生によるコメント
阪本先生による連携研究報告
共同研究者・志賀先生によるコメント

研究シーズ紹介(1枚目から當代先生、田頭先生、岩本先生、王先生)
研究施設見学の様子
愛媛大学工学部・森脇学部長による閉会挨拶

 

 

 

大学院理工学研究科の山田龍弥さんが2024年度溶接学会奨学賞および第30回一般社団法人溶接学会四国支部講演大会優秀発表賞を受賞しました【2月20日(木)、3月7日(金)】

令和7年2月20日(木)、大学院理工学研究科機能材料工学分野博士前期課程2年生の山田龍弥さんが、「ソリッドワイヤを用いた高電流GMA溶接における溶滴移行形態の制御およびスパッタ発生量の低減に関する研究」で、2024年度溶接学会奨学賞を受賞しました。

山田さんの研究グループでは、炭酸ガスアーク溶接におけるスパッタ低減のため、二重のシールドガスで溶融池を大気から保護することができる構造のノズルを用い、内側のノズルにArガスを間欠的・周期的に添加し、アーク柱内のガス組成を周期的に変化させる「パルスガスMAG溶接法」を開発し、特許を取得(特許6711971)しています。
この溶接法を用いてAr添加条件を適切に選択すれば、Ar添加1周期に対し、アーク柱内のガス組成がAr主体である期間に1溶滴だけの落下(同期)とすることができ、スパッタを低減することが可能です。アーク溶接における溶接作業の効率化のためには、高電流化が有効であることから、山田さんは、高電流GMA溶接におけるスパッタ発生量に低減にむけたシールドガスの添加条件と溶接条件の最適化を試みました。
本研究結果は、パルスガスMAG溶接を用いた高能率な溶接方法の開発とその社会実装に大きくつながります。

山田さんの、研究に対する取り組みの姿勢とこれまでの研究成果が高く評価され、今後の溶接・接合研究者・技術者としての発展が期待できることから、今回の受賞に至りました。

また、令和7年3月7日(金)、第30回一般社団法人溶接学会四国支部講演大会において上記の研究成果を発表し、優秀発表賞を受賞しました。
山田さんの発表の際の声量と話す早さ、スライドのわかりやすさ、質疑応答での適切な回答および研究成果の社会的波及効果が評価されたため、今回の受賞に至りました。

受賞した山田さん(左の盾が溶接学会奨学賞、 右の賞状が溶接学会四国支部講演大会優秀発表賞)

令和6年度えひめ海事産業協働コンソーシアム技術部会講演会を開催しました【2月10日(月)】

令和7年2月10日(月)、みなと交流センター(はーばりー)みなとホールで令和6年度えひめ海事産業協働コンソーシアム技術部会講演会を開催しました。「えひめ海事産業協働コンソーシアム」は愛媛で学び育った⾼度エンジニアが、海事産業に携わり、その継続的な発展を⽀える循環を⽣み出すための取組みを、海事産業界、行政及び⼤学が連携して推進することにより、地域の海事産業の発展、造船技術の⾼度化の推進並びに諸課題解決に貢献できる⼈材養成に資することを⽬的として昨年11月1日付で発足いたしました。技術部会は本コンソーシアムにて実現する企画等の提案や実行について担うこととなっており、本学部の松下教授が技術部会長を務めています。今回は本技術部会の名を冠した初のイベントとして、講演会を開催いたしました。

本講演会では、はじめに、森脇亮工学部長から開会の挨拶がありました。

森脇学部長による開会の挨拶

 

続いて、松下技術部会長よりえひめ海事産業協働コンソーシアム、海事コース構想、T&Gについての説明がありました。

松下技術部会長による説明

 

続いて、講演会では、横浜国立大学准教授の満行泰河先生が「台風を脅威から恵みに変える~2050年の社会に対する海事産業の新たなチャレンジ~」、本学部准教授の水口隆先生が「アーク雰囲気ガスの周期的な組成変化を利用した炭酸ガスアーク溶接時の低スパッタ化への取り組み」、本学教育学部教授の鴛原進先生が「今治モデル「ふるさとキャリア教育」における海事産業」と題し講演を行い、コンソーシアム参加企業、本学教職及び学生から約80人が参加しました。参加者は講演内容に真剣に耳をかたむけ、講演のあとには活発な質疑応答が行われました。

横浜国立大学大学院工学研究院・満行准教授による講演
愛媛大学工学部・水口准教授による講演
愛媛大学教育学部教授・鴛原教授による講演

講演会後は懇親会も兼ねたポスターセッションを開催し、計26件の研究発表内容をまとめたポスターが並び、異分野の教職員及び学生が融合してポスターセッションをするという貴重な機会のもと、学内外問わず参加者による活発なセッションが行われました。

ポスターセッションの様子

 

最後に、今治市産業部長の若宮浩氏より閉会の挨拶がありました。

今治市産業部長・若宮氏による閉会の挨拶

 

えひめ海事産業協働コンソーシアム技術部会は、今後も、地域の海事産業の発展、造船技術の⾼度化の推進並びに諸課題解決に取り組んでまいります。

大学院理工学研究科の豊田洋通教授が第17回岩木賞優秀賞を受賞しました【2月21日(金)】

令和7年2月21日(金)、埼玉県和光市の理化学研究所にて行われた第17回岩木賞授賞式にて、大学院理工学研究科の豊田洋通教授の業績が優秀賞を受賞しました。

岩木賞は、表面改質、トライボコーティング分野で著しい業績を上げた個人、法人、団体を顕彰するもので、当該分野で多くの功績を残した故岩木正哉博士(理化学研究所元主任研究員、トライボコーティング技術研究会前会長)の偉業をたたえ、2008年度より創設されたものです。

今回は、豊田先生の業績名「液中プラズマCVD法を基盤技術とした鋼表面へのダイヤモンド直接蒸着法の開発」が、開発技術が日本国内において高い水準にあり、新規独創性に優れたものと審査にて認められて、優秀賞の受賞となりました。

 

◆詳細

優秀賞「液中プラズマCVD法を基盤技術とした鋼表面へのダイヤモンド直接蒸着法の開発」

受賞者:愛媛大学 大学院理工学研究科  豊田 洋通 教授
    山口大学 大学院創成科学研究科 白石 僚也 准教授

◆受賞理由

受賞理由は下記のリンクを参照
第17回岩木賞に、東京理科大学/ジオマテック、愛媛大学/山口大学、英PCS Instruments/島貿易、芝浦工業大学が受賞

受賞時の記念写真(左から2番目が豊田先生)
賞状盾及び記念品のメダル

大学院理工学研究科の神野雅文教授らのチームが第5回広島テックプラングランプリにて「広島銀行賞」および「大和リース賞」を受賞しました【2月15日(土)】

令和7年2月15日(土)、ひろぎんホールディングス本社ビルにて開催された第5回広島テックプラングランプリにて、大学院理工学研究科の神野雅文教授をはじめとするチーム「プラズマクセル」のプレゼンテーションが、企業賞「広島銀行賞」および「大和リース賞」を受賞しました。

第5回広島テックプラングランプリは、株式会社リバネスおよび株式会社広島銀行の主催で、広島県における創業支援プログラム「広島テックプランター」の一環として開催されました。当日はファイナリストに選出された9チームとライトニングトーク3チームによる熱いプレゼンテーションが行われ、審査員による審査の結果、7件の企業賞と最優秀賞が決定いたしました。神野先生率いるチームは、企業賞を受賞したチームの中で、唯一、2件の企業賞の受賞となりました。

◆詳細

企業賞
【広島銀行賞】【大和リース賞】

◯チーム名:プラズマクセル
◯発表者:神野 雅文 /愛媛大学
◯テーマ:プラズマを用いた養殖魚の成長促進技術の実用化

受賞時の記念写真
賞状および副賞

理型入試合格者へのお知らせ

1.合格通知時の分野について
 理型入試の合格者には合格通知書とともに分野が通知されます。この分野は,初年次履修指導クラスのクラス分けの参考にするものです。初年次履修指導クラスは,入学後の1年間,履修指導を受けるクラスの単位であり,2回生以上で所属する教育コースを約束するものではありません。

2.教育コースへの所属について
  1回生の前学期終了時期および後学期終了時期に教育コースの希望調査を行います。2回生になって,本人の第一希望を優先して教育コースに配属されます。希望者が集中し,教育コースの受入可能人数を超えるコースが出た場合は,1年次の学業成績によって所属するコースの調整を行います。そのため,第一希望のコースに必ずしも所属できない場合があります。なお,2回生終了後も一定の条件を満たせば別の教育コースに移る(転コース)ことができます。

注)「回生」と「年次」
「回生」は学生の在籍年数を表します。
「年次」は入学後の4年間のカリキュラム上,授業科目が配当されている年を示します。

大学院理工学研究科の佐々木 啓汰さんが「一般社団法人電気学会令和6年電子・情報・システム部門 技術委員会奨励賞」を受賞しました【令和7年2月4日(火)】

令和7年2月4日(木)、大学院理工学研究科博士前期課程2年生の佐々木啓汰さんが「一般社団法人電気学会令和6年電子・情報・システム部門技術委員会奨励賞」を受賞しました。同賞は、電子・情報・システム分野で活躍する若手研究者に授与されるもので、令和6年12月26日(日)~令和6年12月28日(火)に対面開催(グランフロント大阪)およびWeb開催された電気学会知覚情報研究会において行った発表が優秀と認められたことにより受賞に至りました。

【受賞論文】
「木工旋盤の技能訓練における力覚を伴うVRシミュレータの有用性に関する研究」
佐々木 啓汰、 井門 俊
電気学会研究会資料 PI-24-068, pp. 25-28, 2024

発表概要:
近年、技能訓練のためのVRシミュレータが注目を集めている。OJTなどの訓練手法に比べて優れた訓練効果を発揮する可能性が示唆される一方で、触覚や力覚の再現性の面で大きな課題がある。
本研究は、力覚提示装置を利用して、木材の切削時に工具を持つ手に伝わる力覚を再現することで、木工旋盤作業における力加減を容易的かつ効率的に習得できる訓練用VRシミュレータを開発し、その訓練効果を評価する。

受賞した佐々木さん

大学院理工学研究科の近藤慶斗さんが「一般社団法人電気学会令和6年電子・情報・システム部門 技術委員会奨励賞」を受賞しました【令和7年2月4日(火)】

令和7年2月4日(木)、大学院理工学研究科博士前期課程2年生の近藤慶斗さんが「一般社団法人電気学会令和6年電子・情報・システム部門技術委員会奨励賞」を受賞しました。同賞は、電子・情報・システム分野で活躍する若手研究者に授与されるもので、令和6年3月14日(木)~令和6年3月15日(金)に対面開催(福岡市リファレンス駅東ビル)およびWeb開催された電気学会知覚情報研究会において行った発表が優秀と認められたことにより受賞に至りました。

【受賞論文】
「力覚を伴ったVR 書道と筆記感覚の評価に関する研究」
近藤 慶斗、井門 俊
電気学会研究会資料 PI-24-023, pp. 39-42, 2024

発表概要:
書道は日本の伝統的な文化として広まっているが、現代では書道に触れる機会というのは減少傾向にある。近年、スマートフォンやタブレットを用いて、筆やペンなどの字体で筆記という動作を行うことは可能であるが、書道の再現には筆の独特な筆記感覚を伝えることが必要不可欠である。
本研究ではVRを活用して、仮想空間内で筆の筆記感覚を伴う書道の再現を行い、それが書き手に対してどのような影響を生み出すのか調査する。

受賞した近藤さん

令和8年度愛媛大学工学部「建築・社会デザインコース」の設置(社会デザインコースの改革)について記者説明会を実施しました【12月16日(月)】

令和6年12月16日(月)、愛媛大学本部にて、令和8年度愛媛大学工学部「建築・社会デザインコース」の設置(社会デザインコースの改革)について記者説明会を実施しました。

記者説明会には、愛媛大学の仁科弘重学長、八尋秀典理事・副学長、森脇亮工学部長が登壇しました。
愛媛大学工学部は令和8年度に工学部工学科の社会デザインコースを再編し、建築系の科目を新設し、コースの名称を「建築・社会デザインコース」と改め、1級建築士の受験資格が取得できるカリキュラムを導入いたします。

これまで愛媛県内の大学には建築を学べる学科がなく、1級建築士資格取得に対応した教育コースの設立について愛媛県や県内建築関連団体等から建築系コース創設を求める要望書が愛媛大学に提出されていました。さらに、全国的に総合的なまちづくりやトータルな空間デザインへのニーズが高まっており、これに対応するために土木・建築・都市計画などの幅広い知見を有し、分野を超えて相互に会話が成立する技術者および設計者の養成を目指します。

※現在の社会デザインコースのカリキュラムは、1級建築士の受験資格の取得には対応しておりません。
 資格取得に対応するのは令和8年度入学生からとなります。

記者説明会の様子