大学院理⼯学研究科博⼠前期課程2年の長田知樹さんが第60回地盤工学研究発表会で「優秀論文発表者賞」を受賞しました【9月5日(金)】

令和7年7⽉22日から24⽇に下関市で開催された地盤⼯学会主催の「第60回地盤⼯学研究発表会」において、地盤工学研究室に所属する大学院理⼯学研究科博⼠前期課程2年の長田知樹さんが「優秀論⽂発表者賞」を受賞しました。

本賞は、今後の地盤⼯学分野を担う若⼿技術者及び若⼿研究者の活性化、および研究意欲の向上を⽬的として設⽴された賞であり、発表内容、発表技術、発表時間、質疑応答において優れた発表を⾏った35歳以下の技術者及び研究者に贈られます。

長田さんが発表した論⽂題⽬は、「異なる排水条件下で繰返しせん断された砂の再圧密時体積ひずみ特性」です。この研究では、間隙水圧消散工法による液状化対策を施した際の地盤沈下量の評価手法の確立を目的として、繰返し三軸試験が実施されました。排水条件の違いによる体積ひずみ特性を明らかにした点が評価され、今回の受賞につながりました。

賞状
受賞した長田さん

「建築・社会デザインコース設立記念/伊東豊雄先生客員教授就任記念講演会」を開催しました【11月1日(土)】

令和7年11⽉1⽇(⼟)、愛媛⼤学⼯学部において「建築・社会デザインコース設⽴記念/伊東豊雄先⽣客員教授就任記念講演会」を開催し、学⽣や教職員、建築関係団体、地域住⺠など約200名が参加しました。

本講演会は、本学⼯学部に新設された「建築・社会デザインコース」の設⽴を記念するとともに、世界的建築家である伊東豊雄⽒の愛媛⼤学客員教授就任を祝して実施したものです。 建築を通じて地域社会と共に新しい価値を創造していくことを⽬的とし、愛媛県他、建築関連団体などの協⼒のもと開催されました。

開会にあたり、仁科弘重学⻑の挨拶の後、⽇本建築学会会⻑の⼩野⽥泰明⽒(東北⼤学⼤学院教授)による講演が⾏われ、人口減に苦しむ日本における地域に根差した建築教育の意義と学会・大学・実務が連携する重要性が示されました。続いて、愛媛大学大学院理工学研究科環境建設⼯学講座⻑の三宅洋教授より、新コースの説明を⾏いました。

その後、伊東豊雄⽒による基調講演が⾏われ、「瀬⼾内から次代の建築や⽣活を考える」 をテーマに、戦後の瀬⼾内のモダニズム名建築群の成り⽴ちからはじまり、愛媛県今治市⼤三島における実作や活動の紹介、最近の国内の代表的な建築事例を交えながら、地⽅だからこそ出来る建築や⽣活の在り⽅について語られ、参加者は熱⼼に⽿を傾けていました。

講演終了後に、建築・社会デザインコースより伊東豊雄氏に感謝状を贈呈し、伊東豊雄氏より建築・社会デザインコースにサイン⼊り著書「誰のために 何のために 建築を つくるのか」と「この社会に、建築は、可能か」をご寄贈頂きました。頂いた著書は学⽣教育に活⽤いたします。
また、「卒業設計 伊東豊雄賞」を新たに設⽴することが発表されました。 本賞は、伊東豊雄氏の建築思想と創造性に学び、 地域や社会に新しい価値をもたらす学⽣の挑戦を顕彰するものです。 初回の授与は、2029年度の卒業設計講評会において⾏う予定です。

第⼆部のパネルディスカッションでは、伊東豊雄⽒、⼩野⽥泰明⽒に加えて、愛媛県観光スポーツ⽂化部⽂化局⻑の⻘野陸⽒と、建築・社会デザインコースの教員である愛媛大学大学院理工学研究科環境建設工学の⽮野寿洋准教授が登壇し、「愛媛・瀬⼾内の可能性・魅⼒について」や「愛媛⼤学の建築教育に期待すること」 について活発な意⾒交換が⾏われました。特に愛媛⼤学の建築教育への期待として、ものづくりの重要性やより良い建築をつくろうとする⾏政職員の輩出があげられました。 閉会にあたり、森脇亮⼯学部⻑から、「この講演会が、建築教育と地域の未来を結ぶ新たな出発点となることを願っています」との挨拶がありました。

愛媛⼤学⼯学部では、今後も地域と協働し、持続可能で創造的な社会の実現に貢献する教育・研究活動を推進してまいります。

  

【プレスリリース】画像解析AIで河川を流れるプラスチックを遠隔監視【10月1日(水)】

河川浮遊プラスチック輸送を定量化する新ソフトウェアを開発

 

愛媛大学大学院理工学研究科の片岡智哉准教授らの研究グループ(八千代エンジニヤリング株式会社、日本エヌ・ユー・エス株式会社、オランダ・ワーゲニンゲン大学 Tim van Emmerik 准教授との共同研究)は、深層学習を活用した画像解析AIにより、河川を流れるプラスチックを検出・分類・追跡するソフトウェアを開発しました。

これまでの河川調査は目視観測に頼っており、多大な労力を要するうえ、洪水時には危険を伴うため継続的な調査が困難でした。本研究で開発したソフトウェアは、動画映像から自動的にプラスチックを分類・追跡し、輸送量を算定することを可能にしました。 これにより、陸域から海域へと流出するプラスチックの実態把握に大きく貢献し、今後の環境政策の検討や対策の効果検証に資することが期待されます。本研究成果は、国際学術誌Water Researchに掲載されました。

詳細はこちらからご覧ください。(愛媛大学HPへジャンプします。)

開発したソフトウェアの解析の流れ

 

【事前要申込】愛媛大学建築・社会デザインコース設立記念伊東豊雄先生客員教授就任記念講演会を開催【11月1日(土)13:00-】

令和8年度より、愛媛大学工学部に建築・社会デザインコースが設立されます。

建築・社会デザインコースの設立にあたり、建築家・伊東豊雄先生が客員教授へ就任いたします。
つきましては、この度、建築家・伊東豊雄先生の客員教授就任を記念し、下記のとおり講演会を開催します。

どなたでもご参加いただけますので、この機会にぜひご来場ください。

日時

令和7年11月1日(土)13:00~(開場12:30~)

場所

愛媛大学コラボハウスホール(対面開催)
※駐車場はございませんので公共交通機関をご利用ください。

定員

300人(※要予約。定員を超える場合には申し込みを締め切ります。)

対象

どなたでもご参加いただけます。高校生の方の参加も歓迎いたします。
工学部建築・社会デザインコースに興味のある方は是非ご参加ください。

参加費

無料

講演者

「現代日本における建築教育」 小野田 泰明(日本建築学会 会長・東北大学 教授)
「建築・社会デザインコース説明」 三宅 洋(愛媛大学 教授)
「瀬戸内から次代の建築や生活を考える」 伊東 豊雄(愛媛大学 客員教授) 

パネルディスカッション「これからの地域と建築」 
伊東 豊雄(前掲)、小野田 泰明(前掲)、青野 睦(愛媛県 観光スポーツ文化部)、矢野 寿洋(愛媛大学 准教授)

参加申込

以下のサイトからお申し込みください。
申込ページはこちら
【申込期日】2025年10月31日まで
      ※定員を超える場合には期日前に締め切る場合もありますので、あらかじめご了承ください。

主催

愛媛大学建築・社会デザインコース実行委員会
(愛媛大学大学院理工学研究科環境建設工学講座内)

後援・共催

愛媛県建築士会・愛媛県建築士事務所協会・愛媛県建設業協会・日本建築学会四国支部(共催)・日本都市計画学会中国四国支部(共催)

詳細

以下のチラシをご参照ください。

 

※PDF版はこちらからご覧ください。(PDF 341KB)

お問い合わせ先

愛媛大学 建築・社会デザインコース 実行委員会
ehime.uni.archi@gmail.com

【事前要申込】第4回愛媛デジタルツインフォーラムを開催【10月17日(金)15:00-】

愛媛デジタルツインフォーラムは、愛媛地区におけるデジタルツインの現状や課題を知り、デジタルツインを発展・普及させるための連携を模索することを目的に開催しております。

今回は、前回の令和6年9月の開催に続いて、4度目の開催となります。

今回は、「建築・まちづくりの未来」をテーマに、愛媛地区内外から当該分野に造詣の深い講師の方、また地元の学生・生徒さんをお招きして、ご講演いただきます。

フォーラムの第一部においては、愛媛県内の高校生および大学生からデジタルツインを利用した活動や研究を、ZANNI氏からは文化財保存のための3Dキャプチャの取り組み事例、久田氏からはPLATEAU(3Dデジタル都市モデル)の利活用に関する最新事例を紹介して頂きます。
また、愛媛大学工学部は、令和8年度から建築・社会デザインコースの学生募集を開始します。それを記念して、建築分野のデジタル利活用について、 安藤氏と秦氏からご講演いただきます。第二部では、懇談会と並行して、高校生向けに工学部建築・社会デザインコース個別相談会を設けます。

この機会にぜひ、ご参加ください。

日時

令和7年10月17日(金)
第一部 15時00分~17時30分 講演
第二部 17時45分~19時00分
    ・懇談会・名刺交換会(※飲み物をお出しします。)
    ・工学部建築・社会デザインコース個別相談会(※要予約、ただし、空きがあれば当日参加可能)

場所

第一部 愛媛大学南加記念ホール
第二部 ・懇談会・名刺交換会
     愛媛大学E.U. Regional Commons(ひめテラス)1階 NP地域交流ルーム
    ・工学部建築・社会デザインコース個別相談会
     愛媛大学E.U. Regional Commons(ひめテラス)3階 地域サステナビリティスペース

定員

第一部 150人
第二部 ・懇談会・名刺交換会:最大50名程度
    ・工学部建築・社会デザインコース個別相談会:最大10名程度
     (※要予約。当日参加申込も可能ですが、事前予約者から優先的にご案内させていただきます。)

対象

どなたでもご参加いただけます。
高校生の方の参加も歓迎いたします。工学部建築・社会デザインコースに興味のある方は是非ご参加ください。

参加費

無料

参加申込

以下のサイトからお申し込みください。
申込ページはこちら

主催

愛媛大学工学部附属社会基盤iセンシングセンター

共催

愛媛大学広報室、愛媛大学データサイエンスセンター

協力

松山大学、愛媛デジタルデータソリューション協会、みんなでつくるデジタルツインえひめ実行委員会、えひめ産学官ドローン利活用協議会

後援/協賛

愛媛県/四国情報通信懇談会

詳細
以下のチラシをご参照ください。

※PDF版はこちらからご覧ください。(PDF 2,160KB)

【プレスリリース】本学研究成果を活用したマイクロプラスチック向け粒子解析システムを発売【8月6日(水)】

赤外顕微鏡・赤外ラマン顕微鏡で粒子の質量と体積の迅速かつ正確な測定を世界で初めて実現

 

愛媛大学大学院理工学研究科の片岡智哉准教授らによる、プラスチック微粒子の質量と投影面積との幾何学的関係に関する研究成果が、島津製作所のマイクロプラスチック分析に特化した粒子解析システムに導入され、国内外で発売されることとなりました。

本製品は、赤外顕微鏡もしくは赤外ラマン顕微鏡の測定結果から、マイクロプラスチックの個数、サイズ、面積、体積、質量、成分などを短時間で算出できます。赤外顕微鏡・赤外ラマン顕微鏡でマイクロプラスチックの質量と体積を自動で解析できる分析計測機器は世界で初めてです。

詳細はこちらからご覧ください。(愛媛大学HPへジャンプします。)

◆ 本製品に関する研究論文

プラスチック微粒子の質量を精度よく推計-プラスチック微粒子の質量と投影面積の幾何学的関係を解明題名
:Geometric relationship between the projected surface area and mass of a plastic particle
(和訳)プラスチック粒子の質量と投影面積の幾何学的関係
著者:Tomoya Kataoka, Yota Iga, Rifqi Ahmad Baihaqi, Hadiyanto Hadiyanto, Yasuo Nihei
DOI:10.1016/j.watres.2024.122061
URL:
https://doi.org/10.1016/j.watres.2024.122061(論文情報について掲載している別サイトへジャンプします。)
https://www.ehime-u.ac.jp/data_relese/pr_20240719_eng/(愛媛大学HPの関連プレスリリースへジャンプします。)

研究支援:本研究の一部は、環境省・環境再生保全機構の環境総合推進費(JPMEERF21S11900、JPMEERF20231004)、
ムーンショット型研究開発事業(JPNP18016)並びに、科研費基盤 B(21H01441、 24K00992)による実施したも
のです。

◆ 本製品に関して詳しく知りたい方は以下も併せてご覧ください。

株式会社 島津製作所 Shimadzu Corporation ニュース
マイクロプラスチック向け粒子解析システムを発売
赤外顕微鏡・赤外ラマン顕微鏡で粒子の質量と体積の迅速かつ正確な測定を世界で初めて実現(別サイトへジャンプします。)

フーリエ変換赤外分光光度計「IRXross」と接続した赤外顕微鏡「AIMsight」

令和8年度新設「建築・社会デザインコース」について

愛媛大学工学部では、令和8年度より、「建築・社会デザインコース」を新設いたします。

本コースは、一級建築士の受験資格への対応を目指したカリキュラムを導入し、土木と建築にまたがる幅広い学びを通じて、防災・まちづくり・環境対策など、社会的課題に応える空間を総合的にデザインできる技術者・設計者の育成を目指している専門コースです。

コースについての詳細を知りたい方は、是非、以下の「建築・社会デザインコース」の紹介ページをご覧ください。

 

令和8年度開設の建築・社会デザインコースについて(※別サイトへジャンプします)

 

【建築・社会デザインコースに興味のある方は、以下も併せてご覧ください】

〇 入学案内 
  入試について(本サイト内のページへジャンプします)

〇 工学部案内・各資料(デジタルパンフレット)

 ・工学部案内(※コース紹介は14ページ目に掲載しております。)
  デジタルパンフレット / PDF版(48.3MB)(本サイト内のページへジャンプします)

 ・愛媛大学工学部工学科 新コーススタート パンフレット
  PDF版(1.50MB)(本サイト内のページへジャンプします)

大学院理工学研究科の中畑和之教授、井門俊講師および一色正晴講師が日本非破壊検査協会論文賞を受賞しました【令和7年6月20日】

令和7年6月20日、大学院理工学研究科の中畑和之教授(環境建設工学)、井門俊講師(情報工学)および一色正晴講師(情報工学)が、令和6年度日本非破壊検査協会論文賞を受賞しました。

日本非破壊検査協会論文賞は、機関誌「非破壊検査」および共同刊行誌「Materials Transactions」に、過去2年間に掲載された論文の中から、非破壊検査技術の向上を図る目的で、学術及び技術上優秀と認められた論文に授与されるものです。

中畑教授らが発表した論文「超音波アレイプローブを用いたコンクリート内部の映像化と3Dキャプチャモデルへの重畳」(非破壊検査、73巻7号、pp.286-292、2024年)は、社会インフラの非破壊検査を前進させる突破口となる技術であり、コンクリートの内部を検査するための新しい超音波イメージングについて述べたものです。
本論文は、アレイ配置した超音波プローブを用いて計測した散乱波を開口合成し、その結果を、拡張現実(AR)を用いてタブレット上に3D表示した技術について示しています。非破壊検査のDXにも資する独創的かつ実用研究であり、今後の構造物の健全性評価の高度化に貢献する重要な研究として評価されました。

表彰状

 

受賞したメダル

大学院理工学研究科の中畑和之教授が日本計算工学会第30回計算工学講演会グラフィクスアワード優秀賞を受賞しました【令和7年6月5日】

令和7年6月5日、大学院理工学研究科の中畑和之教授が、茨城大学の車谷麻緒教授とともに日本計算工学会第30回計算工学講演会グラフィクスアワード優秀賞を受賞しました。この賞は、計算工学講演会論文集に掲載された論文に含まれるコンピュータグラフィクスのコンテンツの中から、選考委員会による選考の結果、優秀と認められたものに「グラフィクスアワード」(最優秀賞、優秀賞、動画賞、特別賞)が授与されます。

今回受賞したコンテンツは、車谷教授が主導して研究を進めているコンクリートの詳細形状の再構成(メゾスケールモデリング)の3D可視化に関するもので、中畑教授はこのモデルを波動シミュレーションに応用して、非破壊検査の研究を行っています。
コンクリートという極めて不均質な材料について、実測確率分布に基づいて詳細な内部構造を再構成するだけでなく、従来の均質化モデルでは捉えきれなかった波動散乱・減衰、さらには損傷進展やひび割れ分布のメカニズムを、物理的根拠に基づいて解析・定量化することを可能とするものであり、今後の構造物の健全性評価や維持管理技術の高度化に資する重要な研究の成果です。

表彰状
受賞したグラフィクス作品

【プレスリリース】これまで分解しないとされていた市販の釣り糸が海洋で生分解することを発見【5月15日(木)】

ゴーストギア(漁業系プラスチックごみ)問題解決の決定打に

大学院理工学研究科の日向博文教授は、東京大学の伊藤耕三特別教授、安藤翔太特任助教らの研究グループに参画し、海洋では分解しないとこれまで共通認識されていた市販の釣り糸の中に、代表的な海洋生分解性ポリマーのセルロースと同等レベルで生分解する釣り糸が複数存在することを発見しました。

具体的には、市販されているナイロン6とナイロン6,6の共重合体の釣り糸の中で、共重合体の比率がある範囲に入る市販の釣り糸が、海洋中で生分解性ポリマーの標準物質であるセルロースと同程度の生分解性を示すことを世界で初めて明らかにしました。これは、ナイロンを非生分解性ポリマーとして扱ってきた教科書の記述や、高分子分野・水産業分野の共通認識が間違っていることを示し、これまでの常識を完全に覆すものです。

この発見を契機として生分解可能な釣り糸が世界中で盛んに利用されるだけでなく、漁網等の漁業系プラスチックの材料開発に展開が可能となることから、ゴーストギア問題の包括的解決が期待されます。

詳細はこちらからご覧ください。(愛媛大学HPへジャンプします。)