大学院理工学研究科博士前期課程1年の井澤良太さんが第58回地盤工学研究発表会で優秀論文発表者賞を受賞しました【9月8日(金)】

令和5年7月11日から13日に福岡市(福岡国際会議場)で開催されました地盤工学会主催の「第58回地盤工学研究発表会」において、理工学研究科博士前期課程1年の井澤良太さんが「優秀論文発表者賞」を受賞しました。

本賞は、今後の地盤工学分野を担う若手技術者及び若手研究者の活性化、研究意欲の向上を目的として設立した賞であり、発表内容、発表技術、発表時間、質疑応答において優れた発表を行った35歳以下の技術者及び研究者に贈られます。

発表した論文題目は、「ラインレーザー法による堤防のパイピング進展に伴うパイプ形状の観察」です。この研究では河川堤防直下の地盤表面で起きるパイピング現象について、洪水経過に伴い変化するパイプの3次元形状を精密に測定する技術の開発を目的として、遠心模型装置を用いた実験が実施されました。ラインレーザーとカメラを組み合わせ、地盤表面の形状を精密に読み取る新たな技術が評価され、今回の受賞となりました。

受賞、おめでとうございます。

受賞した井澤さん
賞状

大学院理工学研究科の中畑和之教授が日本非破壊検査協会創立70周年記念最優秀解説賞を受賞 【6月6日(火)】

令和5年6月6日(火)、大学院理工学研究科生産環境工学専攻の中畑和之教授が日本非破壊検査協会 創立70周年記念最優秀解説賞を受賞しました。

創立70周年記念最優秀解説賞とは、日本非破壊検査協会の協会誌「非破壊検査」で過去10年の間に掲載された解説609編のうち、最も優れた解説に授与されたものです。

今回受賞した解説記事は「超音波非破壊検査へのデータ同化の導入 -大規模シミュレーションと多点計測データをつなぐ-」という題目です。超音波探傷等で計測される検査データと数値解析を融合させて、欠陥の形状や位置などを推定するための方法論とその事例について、わかりやすく説明をしたことが評価されました。データ同化はデジタルツインなどの構築に寄与し、次世代の非破壊検査手法としての応用が期待されています。

 

【研究紹介】河合慶有先生(理工学研究科生産環境工学専攻)

工学に興味を持ったきっかけは?
 幼い頃は、山や川に囲まれた環境で育ち、よく虫を捕りに行ったり、川で遊んだりしていました。身の回りに自然が多く、橋梁、トンネル、堤防やダム等の鋼やコンクリートでできた構造物が身近にある生活を送っていたからか、気がついたら大規模なインフラ構造物に興味を持っていました。そのせいもあってか、中学生の時には土木分野へ進みたいと心に決めていました。

河合慶有先生

 

大学の先生になろうと思ったきっかけは?
 大学卒業後、企業に就職し海外プラントエンジニアリング会社でシビルエンジニアとして仕事をしていましたが、そこで様々な経験をするうちに、自分の力不足を強く感じるようになりました。「このままでは駄目だ!」と一念発起し、大学時代の恩師の紹介もありシンガポール国立大学の大学院に進学しました。大学院にはシンガポール政府の奨学金を受給して進学しましたが、アジアトップクラスの大学で、欧米諸国、アジアの国々からの優秀な学生がひしめく中、とにかく必死に勉学や研究に励みました。
 英国、ドイツ、イラン、インド、ベトナム、インドネシアや中国など様々な国籍の学生が在学する環境で、様々な言語が飛び交い考え方の違いに触れ、ここには日本の大学環境では得られないものがたくさんあると感じました。語学力もそうです。異なる背景も持つ教員や学生と議論し研究を進めていくためには、より実践的な英語(グロービッシュと呼ばれる)を身につける必要があると痛感しました。Ph.D.取得後は、コンクリートの研究を続けながら世界級キャリアを積み重ねるとともに、自分のようなグローバル人材を育成したいとの思いから大学教員になりました。

研究内容は? 
 鉄筋コンクリートの耐久性が専門です。近年は、微生物を用いたひび割れ補修や腐食抑制技術について研究しています。
 「ところ変わればコンクリートも変わる」これは大学時代の恩師がおっしゃっていたことです。コンクリートはそれぞれの地域で調達できる材料を使用します。いわば地産地消です。そのため、国、地域でコンクリートに含まれる材料は変わるのです。加えて、コンクリートは水の次に地球上で使用されてきた材料で、世界中どこにでもあります。つまり、国際学会に行くと「様々な」コンクリートを研究しているいろいろな研究者と語らうことができ、新たな繋がりがどんどん増えていきます。コンクリートの研究を通じて国内外の多様な研究者と出会うことも研究のモチベーションの一つです。
 卒論の頃からコンクリートについて研究していましたが、さらに視野を広げることができた出来事がありました。2015年にコンクリートの微生物によるひび割れ補修で世界をリードしているオランダのデルフト工科大学に留学したことです。シンガポール国立大学で学んでいた頃、デルフト工科大学のブリューゲル教授の微生物の補修技術に関する講演を聞いたのがそのきっかけでした。その後、大学教員となっていた私は、自分が研究している分野で世界をリードしているMicroLabのブリューゲル教授のもとで学びたいと思い、大学院生時代に聞いた講演の感想と学びたい熱意をメールで伝えました。その後、幸運にも受け入れOKのメールをいただくことができ、半年間の短期留学が決まりました。現地に行くと、研究室の学生達が「こんなことは通常有り得ないんだぞ!なんてラッキーなんだ。」と何度も言われました(笑)。そこで学んだ微生物を用いる補修技術が今の私の研究に繋がっていて、近年では社会インフラ材料学として既存のコンクリート工学以外の工学的アプローチを取り入れ、研究では微生物など幅広くいろいろな材料を扱うようになりました。
 コンクリートの中には鋼材が入っています。コンクリートのアルカリ環境下では鉄の表面は不動態被膜で覆われ、酸化しにくい状態になっています。しかし、時間が経つとコンクリートのひび割れからの塩分や二酸化炭素の侵入によって不動態被膜が破壊されてしまい、鉄筋が錆びてしまいます。さらに、腐食生成物の膨張によって新たなひび割れが発生します。そうやってインフラ構造物の鉄筋コンクリートはどんどん劣化していきます。それらを未然に防ぐための自己治癒によるひび割れ補修・腐食抑制技術が研究対象です。
 ひび割れ補修では、納豆菌の代謝によって析出する炭酸カルシウムが水分や酸素の供給源となる隙間を自動的で埋め、高い止水効果を得られます。一方、好気性微生物をセメントに練り混ぜることで溶存酸素量を低減し、鉄筋周辺を貧酸素状態にする方法が腐食抑制技術です。好気性細菌は温度・湿度の変化に強く、10~11までの高いpHにも耐えることができます。また、大きさが2~3㎛でコンクリート内部の空隙よりも小さいため、固まった後も死滅せずにひび割れ等から供給された酸素を消費することができます。この研究は2015年から始めたのですが、コンクリート内部の酸素拡散が腐食反応を律速することを証明することが難しく、論文が認められるまでに5年もかかりました。

研究内容(左:ひび割れ補修、右:腐食抑制技術)

 

先生のコンクリートの技術はどんなところで使われていますか?
 来年までに静岡市の海釣り公園の整備事業で試験施工を実施する予定です。自己治癒材の使用はコストアップもあるのですが、公共の建設事業には過去の施工実績が必要となります。ですので、新たな材料を造って世界で認められるような論文を出しても実際の構造物に使用された実績がなければ、なかなか社会実装するのは難しいのです。今回の試験施工に続いて実構造物での施工実績を増やすために、広く情報を発信することが重要だと思っています。

今後の展望は?
 これまでの研究成果を踏まえて、地域ごとの材料・環境の違いを考慮して、自己治癒材の効果的な適用方法を研究したいと思っています。特に、地球温暖化や異常気象等による環境条件の変化はコンクリートの劣化に大きな影響を与えるので、より効果的な補修材料を模索したいと考えています。

※本記事は愛媛大学インターンシップの一環として作成されました。

【社会基盤工学・社会デザインコース】在学生によるコース紹介

在学生に大学生活についてインタビューしました。

Q1: 土木・環境分野の志望理由と将来のキャリアパスは?
Q2: 土木・環境分野の授業について?
Q3: 土木・環境分野でのキャンパスライフの良いところは?
Q4: 受験生の皆さんにメッセージ

Q1: 土木・環境分野の志望理由と将来のキャリアパスは?

 

志望理由は?


学生A

受験生の時は,なんとなくまちづくりに関わることを学んでみたいと考えていました。また,地元から一度離れて生活してみたいとの思いもあり,愛媛大学の土木・環境分野で学ぼうと決めました。


学生B

受験生のときから建設現場で働く女性に憧れて,施工管理(ゼネコン)の仕事に興味があったため土木工学分野を学ぶことができる社会基盤工学コースを志望しました。


学生C

受験生のとき,公務員への就職を志望していて,四国地域の社会基盤整備や環境分野について学びたいと考え,愛媛大学の土木・環境分野への進学を決めました。


学生D

受験生の頃は,正直将来何になりたいのか全く決まっていなかったので,自分が何に向いているのか見つけることができるのではないかと愛媛大学の工学部工学科を選びました。

1年生の勉強を通して,橋やトンネルなどの大きな社会基盤構造物の建設や,地震や河川堤防などの防災に興味が湧き,土木・環境分野を志望しました。


学生E

私はもともと戸建の住宅の設計に興味があり,将来はその道に進もうと考えていました。しかし,自分の中でより多くの人々や社会に貢献できる技術者になりたいと思い,構造物の耐震設計等といった防災・減災について勉強したいという気持ちが強くなり,土木・環境分野を志望しました。

 

将来のキャリアパス?


学生A

卒業後は,公務員と民間企業(コンサル)への就職で迷っています。大学で学んだことを活かせる土木系の仕事につき,後世に残っていく土木構造物をつくりたいと考えています!


学生B

卒業後はより自分の知識を深めて社会に貢献したいと思い,大学院進学を考えています。将来はゼネコンで施工管理の仕事に就き,海外でも活躍できる人材になりたいです!

学生C・D

まだ決めていないけど,幅広い選択肢のなかで,大学で学んできた知識を生かし,自分の強みが最大限に発揮できる業界・職種を見つけて働きたいと考えています。


学生E

本コースでは幅広く土木工学について学ぶことができ,この学科で学んだことを活かして災害に強いまちづくりに貢献できる人材になりたいと考えています。

☆志望理由のキーワードは,まちづくり,社会基盤構造物,環境分野だね!

☆将来のキャリアパスは,公務員,ゼネコン,コンサル,大学院進学だね!

Q2: 土木・環境分野の授業について?

 

<3回生前学期 社会基盤工学実験>


学生A

この授業は,構造力学分野,水理学分野,土質力学分野,コンクリート分野の4分野をそれぞれに実験していくものです。

3回生まで,座学で学んできたことを実際に班員ととも協力しながら実験していくことで,座学で学んできたことへの理解が深まります。

また,サポートをしてくださる先輩は気さくな方が多く楽しく実験を進めることができます!

<3回生前学期 橋梁デザインコンペティション>


学生B

学部3回生の前学期に橋梁デザインコンペティションという授業でCADの使い方を学習した後,グループで橋梁のデザイン設計を行いました。

CADの操作に苦戦しましたが,グループメンバーと協力しながら,実際に橋梁に足を運んでその橋梁の周辺環境を調査し,どのようなデザインにすれば景観によくなじみ,利用しやすくなるのかを考えることはとても楽しく,完成したときは達成感がありました。


学生C

この授業では3DCADを用いて下図のような橋梁や周辺の環境をモデルしました。周辺環境とも調和し,構造的にも優れた橋についてゼロから自分たちで考え,設計したことで構造物を設計することの楽しさを知ることができました。

また,コンセプトや橋の名前等も考え,自ら設計した橋梁への愛着も沸き,構造物を設計するということの面白さも感じることができました。

<3回生前学期 瀬戸内工学>


学生D

3回生前学期の瀬戸内工学という授業では,授業の一環として現場見学があります。この見学ではダム,河川,そして建設中のトンネルの見学を行いました。

中でも特に興味深かったのが建設中のトンネルの見学です。普段とは違うトンネル内の様子,今まで見たことのない建設機械や作業現場など,普段何気なく利用していたトンネルの非日常的な姿を見ることができました。

このような供用後には見ることのできない風景に触れることができるのも魅力的です!


学生E

実際に,建設途中の橋やダムの建設現場に足を運んで現場で働く技術者の生の声を聞いたり,建設の様子を見学する機会がありました。教室での授業では感じることのできない実際の建設現場のスケールの大きさや技術者の方々の熱量などに圧倒されることが多くあり,とても印象的でした。

こういった現場見学の機会が設けられている点もこのコースの魅力の一つだと思います!

Q3: 土木・環境分野でのキャンパスライフの良いところは?

 

学生A

座学で知識を身につけることはもちろんのこと,実験や実習,フィールドワークなどもあります。実際に自分でやってみたり,自分の目で見たりするなど,自分で体験できることは良い経験になります。

また,ゼネコンなどの民間企業や公務員として実際に働いておられる方と講義やフィールドワークの際に関わることがあり,貴重なお話を聞き,土木の仕事について深く知ることもできます。


学生B

所属コースでは構造力学や環境学などの勉強だけでなく,授業でトンネルや道路の建設現場に見学に行くことがあります。実際に現場を見てみることで学んでいることがどのように活かされているのかを知ることができるため,学ぶ意欲がかきたてられるだけでなく,働いている方々の姿を見て施工管理の仕事がしたいという思いが強くなりました。

また,グループワークを行う授業が多いため,男女問わず交友の幅を広げられます。1限から始まる授業も多いので,朝が早く大変なこともありますが,座学の授業で専門的な知識を得ることができるだけでなく,CADやプログラミングの技術も身に付けることができます。

さらに,学部3回生の前学期まで必修科目として英語の授業もあり,リスニング・リーディングの学習や,英語によるプレゼンテーションを行うための英語力が鍛えられます。


学生C

構造力学,土質力学,水理学を始めとした基礎的な学習から始まり,段階を踏みながら授業のレベルも変わっていくため,これまで学習したことのない分野であっても修得しやすいカリキュラムになっていると思います。

3回生後学期からは学生実験が始まるので座学で学んだことを実験を通して理解を深めていくことができます。また,先生方の授業もとても丁寧であるため,学びやすい環境であると感じています!


学生D

他のコースに比べ,グループで進めていく授業が多いと思います。同じ分野に興味を持った同級生たちと一緒に頑張っていく授業が多いため,たくさんの仲間ができたり,自分では思いつかないようないろいろな意見を聞くことができ,視野が広がります。

知識だけでなく,コミュニケーション能力や協調性なども対人スキルも上げることができると思います。


学生E

土木分野の専門的な知識を学ぶことができる点はもちろんのこと,学んだ知識を活かして橋梁のデザインをグループで行うなど,座学で修得した知識を用いて実習や演習を進めることで学びを深めるカリキュラム構成になっています。

また,グループワークなども多くあり,学生間の仲を深めやすい点も魅力だと思います。

☆座学だけでなく,グループワーク・実験・実習・現場見学での学びが豊富だね!

Q4: 受験生の皆さんにメッセージ

 

学生A

愛媛大学工学部工学科は,1年次に各工学分野について学ぶことができます。

社会基盤工学コースで学びたい方も,まだ迷っている方も1年次に土木環境分野の授業を受けることで,社会基盤工学・社会デザインコースでどのようなことを学ぶことができるのか知り,より興味を持っていただけると思います。

少しでも興味がある方は,土木・環境分野をぜひ検討してみてください。


学生B

工学科は2回生からコースに配属されるので,1年間自分の進路を考えることができます。そのため,ものづくりに興味はあるけどまだ具体的に何をしたいのかわからないという方におすすめです。

受験勉強は大変だと思いますが,充実したキャンパスライフに向けて頑張ってください!


学生C

高校生まで明確な目標や将来の夢がなくても,勉強を進めていくうちに自分自身のやりたいことが見えてくると思います。大学においての勉学や生活面での不安などあると思いますが,教職員・先輩からのサポートや,友人との助け合いを通して必ず乗り越えられると思います。

土木環境分野ではとても有意義な学生生活が待ってます!


学生D

土木環境分野は,専門的な知識をつけるだけでなく,実験や見学,実習などで身に着けた知識を活用し学びをさらに深めることができる場所です。たくさんの仲間とアクティブに学びたい人にはとても良い環境だと思います。

ぜひ,将来土木分野に携わりたいと思っている人も,工学部に興味はあるけど将来のビジョンがしっかり決まっていないという人も,ここでいろいろなことを学び,将来を考えてみてはいかがですか?


学生E

自分の思い描く将来像がまだまだ定まっていない人もいると思いますが,少しでも土木・環境分野に興味があれば,このコースを志望してみることをお勧めします。

大学生活を送る中で,モノづくりに対する興味がより深まることは間違いないですし,真摯に生徒に向き合ってくださる教職員による手厚いサポートを受けることができます。きっと自分のなりたい将来像も見えてくるはずです!

工学部環境建設工学科4年生の長井春希さんが2021年度土木学会四国支部第 27 回技術研究発表会で優秀発表賞を受賞しました【5 月 29 日(土)】

 令和3年5月29日(土)にオンラインで開催された「2021 年度土木学会四国支部第 27 回技術研究発表会」において、工学部環境建設工学科4年生の長井春希さんが「優秀発表賞」を受賞しました。

 本賞は、土木学会四国支部主催の技術研究発表会における優秀論文の口頭発表者を優秀発表賞として表彰するものであり、特に優れた講演を行った40歳未満の若手研究者や技術者を対象に与えられるものです。今回は165編の発表の中から14人が表彰されました。

 発表した論文の題目は「鉄筋コンクリート梁の超音波測定による曲げによるひび割れと不可視損傷の評価」です。社会インフラメンテナンスが重要な課題となって久しいですが、既存の鉄筋コンクリート構造物にある見えるひび割れのほか表面には見えない潜在ひび割れの有無や密度を超音波測定により効率よく評価する手法の開発を目指した予備的研究です。理工学研究科環境建設工学講座(寄附講座:社会インフラメンテナンス工学講座兼務)の森伸一郎准教授の指導を受け、長さ5.5mの大型の試験体を用いて、3年生でRA(リサーチアシスタント)として研究室配属され実施した研究で、4年生になり卒論研究で継続実施する長井さんが発表しました。ひび割れの評価と言うコンクリート構造物の基礎的事項でありながら、損傷評価と対策効果評価に発展性のある研究内容ときめ細かな実験、発表のわかりやすさなどが評価され、今回の受賞に至りました。実際の現場で使えるような単純な原理で評価することを意図したもので、今後が期待されます。

受賞した長井さん

関連ページ:

令和3年度土木学会四国支部技術研究発表会優秀発表賞受賞者一覧(PDF)

2021年度土木学会四国支部第 27 回技術研究発表会(PDF)

理工学研究科博士前期課程生産環境工学専攻2回生三木陽大さんが日本非破壊検査協会令和2年度学術奨励賞を受賞しました(6月23日)

 理工学研究科博士前期課程生産環境工学専攻環境建設工学コース2回生の構造数理工学研究室の三木陽大さんが、令和2年度日本非破壊検査協会学術奨励賞を受賞しました。研究内容は「光音響イメージングのための開口合成アルゴリズムに関する検討」で、令和2年度同研究科修了の天野裕維さんと中畑和之教授との共著で発表されたものです(中畑教授は過去に同賞を受賞しているため、今回の表彰は対象外)。光音響効果とは、レーザー等の短パルス光を照射した場合に、熱膨張効果によって弾性波が発生することです。本受賞では、固体内部に発生した弾性波の性質を調査し、光音響イメージングのために開口合成法を利用した映像化アルゴリズムを最適化したことが評価されました。

受賞した三木さんと賞状

工学部環境建設工学科4年生の平田靖明さんが令和2年度地盤工学会四国支部技術研究発表会で優秀発表賞を受賞しました【11月26日(木)~27日(金)】

 令和2年11月26日(木)~27日(金)に愛媛大学城北キャンパス南加記念ホールで開催された「令和2年度地盤工学会四国支部技術研究発表会」において、工学部環境建設工学科4年生の平田靖明さんが「優秀発表賞」を受賞しました。

 本賞は、地盤工学会四国支部主催の技術研究発表会における優秀論文の口頭発表者を優秀発表賞として表彰するものであり、特に優れた講演を行った40歳未満の若手研究者や技術者を対象に与えられるものです。今回は53編の発表の中から6名が表彰されました。

 発表した論文の題目は「松山市内のある地点の地盤と建物の環境振動に対する周辺交通・人流の影響」です。新型コロナ感染症のパンデミックの中、世界各国でロックダウン(都市封鎖)などの社会経済活動が大きく抑制される中、気象や人間活動に起因する地盤の常時微動の低減が見込まれました。そのことが世界中の地球物理学者・地震工学者によって予見され、予見通りの結果が世界中で観測され、いち早くNatureやScienceで成果が4月から7月にかけて発表されましたが、日本では微動の低減がほとんど認められませんでした。そのことを明らかにするため、森伸一郎准教授の指導を受けて、松山市内の学校校舎(愛媛大学工学部校舎)と隣接地盤で微動を長期間観測し、また、周辺交通流と建物への入出者(人流)の観測を行い、それらの相関を定量的に評価したもので、時宜を得た研究内容と挑戦的なテーマへのきめ細かな観測的アプローチ、発表のわかりやすさと質疑応答などが評価され、今回の受賞に至りました。卒論研究としての途上、さらなる発展が期待されます。

(左)森伸一郎准教授 (右)受賞した平田さん

 

関連サイト:地盤工学会四国支部★令和2年技術研究発表会優秀発表者名HP(外部リンク)

大学院理工学研究科博士前期課程1年生の武藤 健太さんが 日本非破壊検査協会の2020年度秋季講演大会で,新進賞を受賞しました【10月28日(水)】

 理工学研究科生産環境工学専攻環境建設工学コースの構造数理工学研究室の武藤 健太さん(博士前期課程1年生)が,令和2年10月28日(水)に開催された日本非破壊検査協会の2020年度秋季講演大会において新進賞を受賞しました。新進賞は,優れた講演を行った若手の研究者に対して,与えられる賞です。

 講演した論文のタイトルは「低周波アレイ探触子を用いたアスファルト舗装内部の映像化」で,理工学研究科 中畑 和之 教授と共著で発表されたものです。

  これまでアスファルト材料のような多孔質な材料中の超音波映像化は困難とされてきましたが,低周波数域の専用アレイプローブを企業と共同開発し,それを全波形サンプリング処理方式と組み合わせて用いることで内部きずの映像化を実現しました。武藤君は,実験の計画・実行の中心的役割を担い,研究成果を分かり易く発表したことが評価され,今回の受賞に至りました。

受賞した武藤 健太さん

 

愛媛大学大学院理工学研究科修了生の小林巧さん(令和元年度修了)が第40回土木学会地震工学研究発表会で優秀講演賞を受賞しました【10月1日(木)~2日(金)】

 令和2年10月1日(木)~2日(金)に新型コロナ禍の中、Web会議システムZoomにより開催された「第40回土木学会地震工学研究発表会」において、修了生の小林巧さん(令和元年度修了。現在、国立研究開発法人 土木研究所に勤務)が「優秀講演賞」を受賞しました。

 本賞は、地震工学研究発表会において特に優れた講演を行った40歳未満の若手研究者や技術者を対象に、地震工学研究発表会優秀講演賞が与えられます。

 発表した論文の題目は「2018年大阪府北部の地震における茨木市内の震度と地盤卓越振動数の関係」です。森伸一郎准教授の指導を受け、発災時に気象庁などから公開された推計震度分布と、墓石落下率により推定された震度の差を表層地盤の振動特性により検討し、短周期成分が卓越する地震動では震度推計が正確にできない可能性があることなどを示しました。これら研究成果と的確な発表・質疑応答の様子が評価され、今回の受賞に至りました。修士論文の成果を基にして2年度にわたり発表したものです。全国の精鋭若手研究者の中で2年連続の受賞は快挙です。今後の活躍が期待されます。

受賞した小林さん

 

関連サイト:土木学会第40回地震工学研究発表会HP(外部リンク)

大学院理工学研究科博士前期課程2年生の小林巧さんが第39回土木学会地震工学研究発表会(関西大学千里山キャンパス)で優秀講演賞を受賞しました【10月7日(月)~8日(火)】

 令和元年10月7日(月)~8日(火)に関西大学千里山キャンパスで開催された「第39回土木学会地震工学研究発表会」において、大学院理工学研究科博士前期課程2年生の小林巧さんが近年の地震被害部門で「優秀講演賞」を受賞しました。
 本賞は、地震工学研究発表会において特に優れた講演を行った40歳未満の若手研究者や技術者を対象に、地震工学研究発表会優秀講演賞が与えられます。
 発表した論文の題目は「墓石挙動調査に基づく2018年6月18日の大阪府北部の地震の揺れ評価」です。森伸一郎准教授の指導を受けて、大阪府北部地震発災時に気象庁や防災科学技術研究所から公開された推計震度分布の確からしさを検討するために、大阪平野北部地域の43墓地で合計4,234基の墓石の被害を調査しました。その調査により、推計震度分布では茨木市と高槻市の広範囲で震度6弱が推計されていたが、実際には高槻市で墓石被害がなく、震度5弱以下相当の被害であり、2段階も震度が過大に評価されていたことを明らかにし、今後の地震動研究に課題を提示しました。これらの研究の着眼点と的確な発表・質疑応答の様子が評価され、今回の受賞に至りました。

左:小林 巧さん 右:森 伸一郎准教授

 

関連サイト:土木学会第39回地震工学研究発表会HP
http://committees.jsce.or.jp/eec2/node/121