大学院理工学研究科の旭置 修哉さんが日本非破壊検査協会新進賞を受賞しました【10月29日】

 令和2年10月29日(木),大学院理工学研究科生産環境工学専攻修士1年の旭置 修哉さんが,“日本非破壊検査協会2020年度秋季講演大会”において新進賞を受賞しました。対象論文は,旭置 修哉,森山 敬介,水上 孝一,宮地 航,木村 憲志,「CFRP層間はく離の可視化と寸法評価のためのアレイプローブ渦電流探傷試験」です。

 新進賞は日本非破壊検査協会の講演会において優れた発表を行った若手研究者に対して与えられるものです。

 本講演論文は,炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に欠陥・損傷として発生する,層間はく離を検出するための非破壊検査技術について報告したものです。電磁誘導現象を使って導電性材料を検査する手法である渦電流探傷試験を使って,層間はく離の可視化と寸法評価を行う方法を提案しています。CFRPは異方性と非均質性を有する多層板構造の材料であるため,従来の渦電流探傷試験法で層間はく離を明瞭に可視化することは困難でした。当研究ではその課題を解決するためのコイルアレイプローブ渦電流探傷試験法を提案し,導電性のばらつきに埋もれずに高いSN比で層間はく離を可視化することに成功しています。また,アレイプローブの複数のコイルの信号を比較することで,層間はく離の寸法評価も可能となることを明らかにしました。以上のように渦電流探傷試験の適用可能性を拡大した点が評価され,今回の受賞に至りました。

賞状
受賞した旭置修哉さん