大学院理工学研究科博士前期課程2年生(受賞時)の宮本拓海さんが日本機械学会中国四国支部第59期総会・講演会で若手優秀講演フェロー賞を受賞しました【3月5日(金)】

 令和3年3月5日(金)、岡山理科大学で開催された「日本機械学会中国四国支部第59期総会・講演会」(zoomオンライン開催)において、大学院理工学研究科博士前期課程生産環境工学専攻機械工学コース2年生(受賞時)の宮本拓海さん(指導教員:大学院理工学研究科 李在勲教授)が、「若手優秀講演フェロー賞」を受賞しました。受賞した講演題目は「トラッキングカメラによる自己位置情報に基づく移動車ロボットの自律移動制御」です。

 宮本さんの研究グループは、移動車ロボットを日常生活環境で活用するためのナビゲーション技術に関する研究を行っています。本研究は、手持ち台車の移動を自動化することを目指して行いました。画像と慣性センサの計測データを処理して自己位置を推定するトラッキングカメラを移動車ロボットに搭載し、屋内および屋外の日常生活環境で自律移動するためのアルゴリズムを開発しました。移動車ロボットの両車輪の回転角速度情報とトラッキングカメラからの位置情報を融合することで、地面の凹凸にも対応可能なナビゲーションが出来るようになりました。

賞状
 

理工学研究科生産環境工学専攻松浦一雄准教授がATE-HEFAT2021にてベストペーパー賞を受賞しました【7月25日(日)~28日(水)】

 令和3年7月25日(日)から28日(水)に南アフリカ・プレトリア大学によりzoomオンライン開催された、15th International Conference on Heat Transfer, Fluid Mechanics and Thermodynamicsにおいて、理工学研究科生産環境工学専攻機械工学コースの松浦一雄准教授が、Best paper賞を受賞しました。受賞した研究のテーマは航空機のジェットエンジンにおけるタービン内部圧縮性翼列流れです。

 これまで翼列流れの研究では、翼列効率の低下度合を求める際に、エントロピーの非可逆的増加を表すエネルギー散逸関数が用いられてきましたが、流れの中に現れる渦運動と、音波伝播も含む渦なし運動それぞれからの寄与が不明でした。松浦准教授は、Helmholtz-Hodge分解をエネルギー散逸関数に導入した新たな定式化を非定常翼列流れに対して提案し、圧縮性Navier-Stokes方程式を忠実に数値計算して得た流れ場のデータに適用することで、上記問題を解決しました。

 本研究の実施にあたり、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のスーパーコンピュータであるJSS3を利用させていただきました。

受賞対象論文
Kazuo Matsuura
Numerical Evaluation of the Regions of High Energy Dissipation for Different Free-Stream Turbulence in Transitional Low-Pressure Turbine Flows

松浦 准教授
賞状
 

【以下英訳】

Dr. Kazuo Matsuura won the best paper award at the 15th International Conference on Heat Transfer, Fluid Mechanics and Thermodynamics (ATE-HEFAT2021), organized online by Prof. JP Meyer, University of Pretoria, South Africa, from 25th till 28th July 2021. The topic of the awarded paper was the compressible thermo-fluid flows of a jet engine cascade.

So far, the energy dissipation function, which represents irreversible increase in entropy, has been used to quantify decrease in blade row efficiency. However, the contributions of rotational and irrotational motions were not separable in the original formulation. Dr. Matsuura proposed a new formulation for evaluating the energy dissipation function based on the Helmholtz-Hodge decomposition, applied it to the unsteady flow fields of stator-rotor interaction reproduced by high-resolution Navier-Stokes simulations, and solved the above problem.

The computations were conducted using the supercomputer systems of the Japan Aerospace Exploration Agency (JAXA-JSS3).

大学院理工学研究科博士前期課程の旭置修哉さんが日本非破壊検査協会表面NDTワークショップ2021にて若手研究優秀賞を受賞しました【6月22日】

 令和3年6月22日(火)、大学院理工学研究科生産環境工学専攻博士前期課程2年の旭置修哉さんが、“日本非破壊検査協会表面NDTワークショップ2021”において若手研究優秀賞を受賞しました。表面NDTワークショップ2021では、2019-2020年度に実施された日本非破壊検査協会の学術講演会において電磁界を応用した非破壊検査法について優れた発表を行った研究者達が招待され、研究発表のコンペティションが行われました。若手研究優秀賞は、その中で特に優れていると認められる若手研究者に与えられる賞です。対象論文は、旭置修哉、森山敬介、水上孝一、宮地航、木村憲志、「CFRP層間はく離の可視化と寸法評価のためのアレイプローブ渦電流探傷試験」です。異方性と非均質性を有する多層構造の材料であるCFRP内部に生じた層間はく離を明瞭に可視化するための渦電流探傷試験法について発表しました。複合材料構造に対する実用的な渦電流探傷試験法を開発した点が評価され、今回の受賞に至りました。

賞状
受賞した旭置修哉さん
 

理工学研究科生産環境工学専攻機械工学コース2年生の滝本和人さんが第27回日本流体力学会中四国・九州支部講演会において学生優秀発表賞を受賞しました【令和3年6月5日(土)】

 令和3年6月5日に広島大学で開催された(zoomオンライン開催)第27回日本流体力学会中四国・九州支部講演会において、理工学研究科生産環境工学専攻機械工学コース2年生の滝本和人さん(指導教員 松浦一雄准教授)が、学生優秀発表賞を受賞しました。受賞した講演題目は「リングトーンに関する実験および直接音解析」です。 滝本さんの研究グループは、空気の流れから発生する音を予測する際に重要となる渦と音波の相互作用に関する研究を行っています。円形噴流の下流にリングを置くと音が出ることが発表されて以来56年間、何故音が出るのか殆ど分かっていませんでしたが、本研究により圧縮性Navier-Stokes方程式を忠実に数値計算することでこの音の発生機構をコンピュータシミュレーションし、詳細に解明出来るようになりました。なお、本研究を実施するにあたり、新日本フエザーコア株式会社様にハニカムコアをご提供いただきました。また、コンピュータシミュレーションにあたり宇宙航空研究開発機構(JAXA)のスーパーコンピュータであるJSS3を利用させていただきました。

受賞対象講演

「リングトーンに関する実験および直接音計算」
滝本和人(愛媛大)、松浦一雄(愛媛大)

受賞した滝本さんと実験に用いた風洞
賞状

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理工学研究科生産環境工学専攻の黄木景二教授が日本材料学会学術貢献賞を受賞しました【令和3年5月29日】

 理工学研究科生産環境工学専攻の黄木景二教授が,日本材料学会学術貢献賞を受賞し,5月29日,日本材料学会第70期通常総会・学術講演会(オンライン開催)において授賞式が行われました。本賞は材料学に関する顕著な研究業績及び学会に対する顕著な貢献をすることによって,材料学の進歩発展に寄与したと認められる満55歳未満の正会員個人に授与される賞です。受賞の対象となった研究は「炭素繊維強化プラスチックの時間・速度・温度依存変形損傷挙動に関する研究」です。時間,負荷速度,環境温度の影響を受ける複雑な現象である炭素繊維強化プラスチックの変形損傷挙動を,実験,力学モデル及び数値シミュレーションによって詳細に解明したことが評価され,今回の受賞に至りました。

受賞した黄木教授

大学院理工学研究科の黄木景二教授と岩本幸治准教授が日本機械学会中国四国支部賞技術貢献賞を受賞しました。(令和3年3月5日)

 令和335日(金)、大学院理工学研究科の黄木景二教授と岩本幸治准教授が、株式会社トーヨ(西条市)の渡邊学氏、尾崎隆則氏とともに「100MPa級高圧ジェット水対応防護服の開発」によって、日本機械学会中国四国支部賞技術貢献賞を受賞しました。
 受賞の理由となった防護服は、100MPa1000気圧)から繰り出される高圧ジェット水に耐えられながらも、
 これまでにない軽さとしなやかさを備えているものであり、愛媛大学の材料力学、流体力学の専門家の研究成果が盛り込まれた製品です。
 製品の発表後、大手高圧洗浄用ポンプメーカーや工具販売商社などから数多くの問い合わせがあり、非常に需要の高い商品になっています。
 これら一連の成果が、機械工学の進歩発展に著しく貢献したと評価され、今回の受賞に至りました。

左から:黄木教授、渡邊氏(トーヨ)、尾崎氏(トーヨ)、岩本准教授

大学院理工学研究科の水上孝一講師がJCOM若手優秀発表賞を受賞しました【12月8日】

 令和2年12月8日(火),大学院理工学研究科生産環境工学専攻の水上孝一講師が,“2020年度日本材料学会複合材料部門JCOM若手ウェビナー”において優秀発表賞を受賞しました。対象論文は,水上孝一,川口貴弘,黄木景二,「炭素繊維強化弾性波メタマテリアルの3Dプリンティング」です。

 優秀発表賞は当講演会において優れた研究発表を行った若手研究者に対して与えられるものです。本講演論文では,炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の3Dプリンティング技術を用いて,弾性波メタマテリアルの剛性と振動減衰可能な周波数帯の両方を同時に向上する方法について報告しています。弾性波メタマテリアル構造内に含有される連続炭素繊維のパスを適切に設定することにより,振動の透過を阻害する周波数帯であるバンドギャップを大きく拡大できることを示しました。近年登場したCFRPの3Dプリンティング技術の応用により高性能な振動減衰構造を新たに開発した点が評価され,受賞に至りました。

受賞した水上講師
 

大学院理工学研究科の旭置 修哉さんが日本非破壊検査協会新進賞を受賞しました【10月29日】

 令和2年10月29日(木),大学院理工学研究科生産環境工学専攻修士1年の旭置 修哉さんが,“日本非破壊検査協会2020年度秋季講演大会”において新進賞を受賞しました。対象論文は,旭置 修哉,森山 敬介,水上 孝一,宮地 航,木村 憲志,「CFRP層間はく離の可視化と寸法評価のためのアレイプローブ渦電流探傷試験」です。

 新進賞は日本非破壊検査協会の講演会において優れた発表を行った若手研究者に対して与えられるものです。

 本講演論文は,炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に欠陥・損傷として発生する,層間はく離を検出するための非破壊検査技術について報告したものです。電磁誘導現象を使って導電性材料を検査する手法である渦電流探傷試験を使って,層間はく離の可視化と寸法評価を行う方法を提案しています。CFRPは異方性と非均質性を有する多層板構造の材料であるため,従来の渦電流探傷試験法で層間はく離を明瞭に可視化することは困難でした。当研究ではその課題を解決するためのコイルアレイプローブ渦電流探傷試験法を提案し,導電性のばらつきに埋もれずに高いSN比で層間はく離を可視化することに成功しています。また,アレイプローブの複数のコイルの信号を比較することで,層間はく離の寸法評価も可能となることを明らかにしました。以上のように渦電流探傷試験の適用可能性を拡大した点が評価され,今回の受賞に至りました。

賞状
受賞した旭置修哉さん
 

大学院理工学研究科の船場海斗さんが4DFF Student Awardを受賞しました【令和2年10月16日】

 令和2年10月16日(金),大学院理工学研究科生産環境工学専攻修士2年の船場海斗さんが”Conference on 4D and Functional Fabrication 2020”においてStudent Awardを受賞しました。対象論文は,船場海斗,水上孝一,古賀洋一郎,「振動透過抑制可能な複合材ラティス構造」です。4DFF Student Awardは当講演会において優れた発表を行った学生に対して与えられる賞で,本講演論文では,炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の3Dプリンティング技術を用いて,軽量性と高い剛性,振動透過抑制機能を併せ持ったメタマテリアル構造を提案しています。軽量かつ高剛性な構造で機械振動のような低周波振動の抑制を両立させることは一般的に困難であるとされてきましたが,そのような課題をCFRPの3Dプリンティング技術を用いた剛性分布のテーラーリングを利用して解決した点が評価され,受賞に至りました。

受賞した船場海斗さん
 

野村信福教授の研究が公益財団法人JKAのウェブサイトで紹介されました。

 この度、野村信福教授の研究が公益財団法人JKAのウェブサイトで紹介されました。野村教授は、自身の研究テーマ「持続可能な社会のために科学にできることは?」を追求する中で、2016年公益財団法人JKA補助事業に「液中プラズマによって廃棄物から水素燃料と有価物を取り出す研究開発」が採択されました。液中プラズマによる水素回収装置・システムとして開発に成功するなど、実験室の小さいスケールでは成功していた基礎研究の成果を生かし、実用化を目指す装置・システムとして組み上げ、水素燃料と有価物を回収することに成功しました。この成果をもとに、2018年にベンチャー企業「株式会社環境エネルギー・技術研究所」を設立し、装置の事業化を目指しています。

野村信福教授の研究内容はこちら(公益財団法人JKAのウェブサイト:以下URL)

URL:https://www.jka-cycle.jp/_ct/17344346

マイクロ波型液中プラズマ水素製造装置。廃油をプラズマで分解
「水素燃料による紅葉ライトアップ事業」左は人力飛行機。右は燃料電池自動車