愛媛大学 材料スコープ工学研究室 特別展示会「サステナブルなギヤマン」を開催【2月29日(木)~3月4日(月)】

愛媛大学 材料スコープ工学研究室が、2024年2月29日(木)から3月4日(月)の間、特別展示会「サステナブルなギヤマン」を開催します。

日本最古と言われる道後温泉のシンボルである道後温泉本館大屋根の中央には、赤いギヤマン(ガラス)を使用した塔屋があります。これは、松山城の城大工棟梁家系の坂本又八郎が建物設計し、道後湯之町初代町長の伊佐庭如矢が明治27年に改築したと伝えられています。

この度の特別展示会では、このように歴史ある赤いギヤマンを、太陽光パネル廃ガラスを主な原料に用いたゴールドルビーガラスで試作した、サステナブルな研究(※)を紹介しています。会期中には、ガラスを用いた万華鏡の作製イベントや、ガラスペンの試し書きの体験コーナーもございます。

是非この機会にお立ち寄りください。皆様のご来場をお待ちしています。

※本展示会では持続可能な道後温泉協議会2023年度助成金による研究成果を紹介しています。

 

【開催期間】 2024年2月29日(木)~2024年3月4日(月)
       開館時間 11:00~16:00

【開催場所】 ひみつジャナイ基地
       愛媛県松山市道後湯月町2-41
       ※駐車場はありませんので、公共交通機関または近隣の有料パーキングをご利用ください。

【体験コーナー】

1. じゃこガラス万華鏡作製(※2/29(木)~3/3(日) 各先着20名)

  いろいろな色のガラスのかけらを選んで、オリジナル万華鏡を作ります。
  作ったものはお持ち帰りいただくことが可能です。

2. ガラスペン試し書き(※期間中毎日)

  いろいろな紙やはがきなどに、いろいろな色のインクを用いてガラスペンで試し書きができます。

【関連リンク】
〇愛媛大学 材料スコープ工学研究室 HP
https://www.mat.ehime-u.ac.jp/labs/mpe/index.html

〇Instagram:hiro.t_p
https://www.instagram.com/hiro.t._p/?igsh=MTduY2xxdml5bTZwcQ%3D%3D

その他の詳細は以下のチラシをご覧ください。
PDF版はこちらからご覧ください。(420KB)

大学院理工学研究科物質生命工学専攻博士前期課程2年生の福品絵梨さんが日本セラミックス協会生体関連材料部会第25回生体関連セラミックス討論会で最優秀若手研究奨励賞を受賞しました【12月1日(金)】

令和5年12月1日(金)に開催された「日本セラミックス協会生体関連材料部会第25回生体関連セラミックス討論会」において、本コース修士2年生の福品 絵梨 さんが20名の発表者の中で「最優秀若手研究奨励賞」を受賞しました。受賞した講演題目は、「Fetuin-A/リン酸カルシウム複合ナノ粒子のin-vitro合成と合成条件に伴う非晶質/結晶質への相転移過程の微視的構造評価」です。

日々の熱心な研究成果を口頭発表にまとめ上げ、新規的な研究内容に加えて、わかりやすく端的に伝える力や活発な議論に対する適切な受け答えが評価されて受賞に至りました。今後の活躍により一層期待しています。

 

受賞した福品絵梨さん

【プレスリリース】有機伝導体の分子配列と電子構造を制御する分子の開発【令和5年12月6日】

このたび、愛媛大学大学院理工学研究科(工学系)の御﨑洋二教授らの研究グループは、有機伝導体の分子配列と電子構造を精密に制御することに成功しました。この成果は愛媛大学リサーチユニット「エネルギーの高効率利用と貯蔵に関する材料開発研究ユニット(E-USE)(代表:内藤教授(理学系))」の一環としての共同研究によるものです。

同グループでは3つの分子を連結した三連結分子を開発することで、特性が異なる分子を規則正しく配列させ、超伝導状態を引き起こしやすい物質を作ることに成功しました。超伝導という状態では、送電の際のエネルギーロスがなくなるため、電気エネルギーの効率的な利用が可能になります。しかし超伝導を起こす物質は希少であることから、本研究成果は有機超伝導体を開発するための新しい分子設計戦略として注目されています。

本研究成果に関する論文は、英国王立化学会(RSC)の学術雑誌「Chemical Communications」に掲載され、オンライン版で公開されました(2023年10月18日)。また、編集部から高い評価を得ており、2023年11月25日に発行された掲載号の裏表紙に採用されました。

掲載誌:Chemical Communications
DOI  :10.1039/D3CC03198E
題 名:A Triad Molecular Conductor: Simultaneous Control of Charge and Molecular Arrangements
(日本語訳)三連結分子を利用して、有機伝導体の分子配列と電子構造を同時に制御
著 者:Naoya Kinoshita, Atsuya Maruyama, Takashi Shirahata, Toshio Naito, and Yohji Misaki
責任者:Yohji Misaki(御﨑 洋二)・愛媛大学大学院理工学研究科

詳細はこちらからご覧ください。(愛媛大学HPへジャンプします。)

大学院理工学研究科理工学専攻産業基盤プログラム博士前期課程1年生の赤澤諒祐さんが資源・素材学会資源・素材2023(松山)で資源・素材学会若手ポスター賞を受賞しました【9月13日(水)】

令和5年9月13日(水)に開催された「資源・素材学会資源・素材2023(松山)-2023年度資源・素材関係学協会合同秋季大会-」において、本コース修士1年生の赤澤 諒祐 さんが「資源・素材学会若手ポスター発表賞」を受賞しました。

受賞対象は、全77名中上位5名です。受賞した講演題目は、「マグネシア‐クロム質耐火物と銅マット/スラグ融体の浸透試験および熱力学平衡計算」です。

日々の熱心な研究成果をショートプレゼン(4分間)およびポスターにまとめ上げ、充実した研究内容に加えて、短い時間で端的に伝える力や質問に対する適切な受け答えが評価されて受賞に至りました。

今後の活躍により一層期待しています。

受賞した赤澤諒祐さん

工学部4年生の登倉浩貴さんが「第37回 中国四国ウイルス研究会」において優秀発表賞を受賞しました【9月3日(日)】

令和5年9月2日(土)〜9月3日(日)、岡山大学津島キャンパスで開催された「第37回 中国四国ウイルス研究会」において、工学部工学科化学・生命科学コース4年でプロテオサイエンスセンター(PROS)無細胞生命科学部門の登倉浩貴さんが優秀発表賞を受賞しました。

登倉さんの発表演題は「SARS-CoV-2の侵入を増強するACE2相互作用タンパク質の同定及び機能解析」で、PROSの高橋宏隆准教授の指導の下で取り組んだ成果です。

本研究は、新型コロナウイルスSARS-CoV2の受容体タンパク質であるACE2が、同ウイルスの侵入時にタンパク質切断や局在変化を受けることに着目しました。そこで、SARS-CoV2の侵入時のACE2の相互作用タンパク質の変化を、愛媛大学プロテオサイエンスセンターが保有するインタラクトーム技術で評価しました。その結果、SARS-CoV2侵入時にACE2との相互作用が強まり、かつSARS-CoV2の侵入を促進するタンパク質を見出しました。この結果は、まだ未知な部分が多いSARS-CoV2の侵入メカニズムの解明に寄与することが期待されます。

受賞した登倉浩貴さん

令和5年度工学部教育貢献賞の表彰式を挙行しました【9月21日(木)】

令和5年9月21日(木)9時00分から工学部大会議室において、工学部教育貢献賞の表彰式が行われました。

工学部では、学部教育において優れた貢献をした教員を表彰する制度を導入しており、今年度は、工学部への長年の根強い教育活動を称え、機能材料工学講座と応用化学講座と電気電子工学講座から推薦のあった教員が受賞することになり、内容・推薦理由に応じて3個のトロフィーと受賞者別に17枚の表彰状がそれぞれに授与されました。

【受賞者】
機能材料工学講座
青野 宏通(あおの ひろみち) 教授

応用化学講座
下元 浩晃(しももと ひろあき) 准教授   森田 将之(もりた まさゆき) 講師
山口 修平(やまぐち しゅうへい) 准教授  山下 浩(やました ひろし) 准教授
白旗 崇(しらはた たかし) 准教授     野澤 彰(のざわ あきら) 准教授
竹田 浩之(たけだ ひろゆき) 准教授    山浦 弘之(やまうら ひろゆき) 講師
高島 英造(たかしま えいぞう) 准教授   伊藤 大道(いとう ともみち) 講師
高橋 宏隆(たかはし ひろたか) 准教授   石橋 千英(いしばし ゆきひで) 講師
冨川 千恵(とみかわ ちえ) 講師      吉村 彩(よしむら あや) 講師
太田 英俊(おおた ひでとし) 講師

電気電子工学講座
本村 英樹(もとむら ひでき)准教授

 

授与されたトロフィー
(上段左側から)
吉村講師、高島准教授、伊藤講師、高橋准教授、太田講師、石橋講師、冨川講師、森脇教授
(下段左側から)
門脇教授、青野教授、下元准教授、高橋学部長、山下准教授、竹田准教授、本村准教授

大学院理工学研究科の井原栄治教授が2022年度「高分子学会賞(科学部門)」を受賞

愛媛大学大学院理工学研究科の井原栄治教授が、これまで行ってきた高分子合成化学分野での研究成果を評価され、「高分子学会賞(科学部門)」を受賞しました。

この賞は、公益社団法人高分子学会(会員数約8,000人)が「高分子科学、技術に関する独創的かつ優れた業績を挙げた会員を対象に、その功労を顕彰することを目的に制定」しているもので、1965年以来約60年近い歴史のある極めて重要な賞です。四国の大学からは井原教授が初めての受賞者となります。

受賞タイトルは「ジアゾカルボニル化合物をモノマーとする高分子合成手法の開発」であり、革新的な高分子合成法の開発に関する研究成果が高く評価されました。本研究は井原教授が2000年4月の愛媛大学着任後に着想、開始したもので、現在までの20数年間の成果は、高分子化学分野の代表的な国際学術誌Macromolecules誌(アメリカ化学会発行)に約20編の論文として掲載されており、国際的にも高く評価されています。それらの論文のうち、最近の4編は「愛媛大学研究成果ストックサイト」に取り上げられています。

詳細はこちらからご覧ください。(愛媛大学ウェブサイトへジャンプします。)

授賞式にて(左から高分子学会会長 伊藤耕三東京大学教授、井原先生)

 

共同研究で溶接用新素材を開発~埋もれアーク溶接用の新しいフラックス入りワイヤの特許を取得~

 このたび、愛媛大学工学部附属船舶海洋工学センターの水口 隆 准教授の研究グループは、四国溶材株式会社(本社所在地:愛媛県今治市、代表取締役社長 村上 裕一)と共同で、埋もれアーク溶接用の新しいフラックス入りワイヤを開発し、特許(第7211652号)を取得いたしました。
 愛媛県今治地区は、国内有数の造船産業集積地域であり、船体には多量の厚鋼板が使用されています。厚鋼板同士を接合する溶接工程は、造船施工の中で最も重要な工程の一つとされていますが、この溶接工程には多大な工数がかかるため、溶接の高能率化が望まれています。この問題を解決するため、一般的なアーク溶接と比較して、母材のより深い部分にアークによる入熱を与えることができる埋もれアーク(下図)という現象に着目し、この現象を利用した深い溶け込みと安定した溶接が可能な新しいフラックス入りワイヤを開発いたしました。これにより溶接パス数の低減が可能となり、高能率な溶接が可能となります。今後は、本開発ワイヤの今治地区造船関連企業へのテスト販売を行い、本格販売へとつなげる予定です。
 今後も溶接の高能率化に向けた研究開発に取り組み、今治地域の造船産業の国際競争力の強化および活力ある個性豊かな地域社会の形成に寄与します。
  

理工学研究科物質生命工学専攻博士前期課程1年生の福品絵梨さん・藤野兼史さんが日本セラミックス協会第35回秋季シンポジウムで優秀講演奨励賞を受賞しました【9月14日(水)】

 令和4年9月14日(水)に開催された「日本セラミックス協会第35回秋季シンポジウム」(オンライン開催)において、本コース修士1年生の福品 絵梨さん及び藤野 兼史さんがそれぞれ「優秀講演奨励賞」を受賞しました。受賞した講演題目は、福品さんが「B2O3含有生体活性ガラスの疑似体液中HAp形成能及び熱的特性の組成依存性」、藤野さんが「アルキメデス2球法で測定したアルカリケイ酸塩系ガラス融体の密度及び体膨張率」です。
 日々の熱心な研究の成果をポスターにまとめ上げ、その構成や伝え方、聴講者への質問に対する適切な受け答えが評価されて受賞に至りました。今後の彼らの活躍により一層期待しています。

(左から)藤野さん、福品さん

大学院理工学研究科の佐藤久子教授と山下浩准教授らの論文がCLAY SCIENCE誌の論文賞に選ばれました。【9月7日(水)】

 令和4年9月7日(水)、大学院理工学研究科の佐藤久子教授(理学系)と山下浩准教授(工学系)らの論文が、一般社団法人日本粘土学会が発行している英文学術雑誌であるCLAY SCIENCE誌の論文賞に選ばれました。
 本賞は、2021年度に同誌に発表された論文の中から最も評価されたものに贈られます。
 本研究は、2011年3月11日の福島第一原発の事故を受けて、土壌中のセシウムイオン形態解明に基づく土壌の浄化と減容化について 、粘土科学の立場から研究したものです。
 非放射性物質の多量のセシウムイオンを用いたモデル実験ではメカニズムや汚染土壌の浄化などを解析できても、実際の微量なセシウムイオンによる放射性汚染土壌での解明はかなり困難を極めます。時間が経過するにつれて、その困難さが増していることも事実です。
 このような状況の中で、物質・材料研究機構、東京大学、法政大学、NPO法人環境測定品質管理センター、愛媛大学では環境研究総合推進費の支援を受けて、研究を進めてきました。このうち愛媛大学では、モデル土壌を用いてマイクロウエブによる連続処理方法の検討を行いました。この論文は現段階の土壌中のセシウムの動態とセシウム除去のプロセスフローとその効果を示し、高い評価を得ることができました。

論文題目:“Removal of cesium ions from radioactively contaminated soils using microwave treatment “ Clay Science, 2021, 25, 7-11.
著者:Kenji Tamura,Hiroshi Yamashita, Toshihiro Kogure, Masatoshi Morita, Akihiko Yamagishi and Hisako Sato