大学院理工学研究科の中畑和之教授が日本計算工学会第30回計算工学講演会グラフィクスアワード優秀賞を受賞しました【令和7年6月5日】

令和7年6月5日、大学院理工学研究科の中畑和之教授が、茨城大学の車谷麻緒教授とともに日本計算工学会第30回計算工学講演会グラフィクスアワード優秀賞を受賞しました。この賞は、計算工学講演会論文集に掲載された論文に含まれるコンピュータグラフィクスのコンテンツの中から、選考委員会による選考の結果、優秀と認められたものに「グラフィクスアワード」(最優秀賞、優秀賞、動画賞、特別賞)が授与されます。

今回受賞したコンテンツは、車谷教授が主導して研究を進めているコンクリートの詳細形状の再構成(メゾスケールモデリング)の3D可視化に関するもので、中畑教授はこのモデルを波動シミュレーションに応用して、非破壊検査の研究を行っています。
コンクリートという極めて不均質な材料について、実測確率分布に基づいて詳細な内部構造を再構成するだけでなく、従来の均質化モデルでは捉えきれなかった波動散乱・減衰、さらには損傷進展やひび割れ分布のメカニズムを、物理的根拠に基づいて解析・定量化することを可能とするものであり、今後の構造物の健全性評価や維持管理技術の高度化に資する重要な研究の成果です。

表彰状
受賞したグラフィクス作品

「海事産業×IT」をテーマとしたビジネスピッチイベント「Flow」に学長が出席しました【5月22日(木)】

令和7年5月に日本最大の海事都市・今治市で開催された国際海事展「バリシップ2025」と同時に開催された、「海のイノベーション」にフォーカスしたビジネスピッチイベント「Flow」(22日(木):今治地域地場産業振興センター)に仁科弘重学長が出席しました。
「Flow」とは、世界最大の海事都市・今治市の伝統に裏打ちされた技術と、AI・ロボティクスなどの先端テクノロジーを融合し、これからの海事をリードすることを目的に、最先端のテクノロジーと革新的なアイデアが交差する場として催される「海事産業×IT」をテーマとしたビジネスピッチイベントです。

「Flow」では、今治市の海事産業を代表される方々がご臨席される中で、始めに、古川康国交副大臣のご挨拶があり、次に、今治市・徳永繁樹市長から「今治海事都市発展ビジョン」の発表がありました。
その後、仁科学長より、令和7年10月に設置予定の愛媛大学今治サテライト及び令和8年4月に新設する工学部「海事産業特別コース」について発表しました。

仁科学長は、まず、「愛媛大学は、地方国立大学として次世代人材の育成と地域産業の活性化を目指し、10年以上前から『地域密着型センター』と総称するセンターを県内各地に設置してきました。これらのセンターの中に、地域の産業クラスターと一体化した研究と人材育成を行っている『地域産業特化型研究センター』があり、地域の発展に貢献しています。」と、これまでの愛媛大学と地域産業との関りについて紹介がありました。
続いて、愛媛大学と今治市との海事産業における連携の展望について、「『今治×愛媛大学Town & Gown構想』により、今治市との連携を強化し、持続可能な地域づくりと人材育成を進めています。本年10月には『愛媛大学今治サテライト』を設置し、しまなみ観光、サイクリングやスポーツによる地域振興、タオル産業、アグリツーリズムも含まれますが、主な活動は海事産業関係になります。さらに、令和8年4月には工学部に海事産業特別コースを新設し、地元企業と連携して次世代の人材を育成する計画です。今治サテライトでは、企業の技術者も社会人大学院生として受け入れ、課題解決と高度な知識・技術の修得を目指します。愛媛大学は、大学の知と地域の力が融合することで、新たな価値を創出し、地域の未来をともに築いていけると考えています」と述べました。

仁科学長挨拶の様子
トークセッションの様子

その後、徳永市長、仁科学長による、今治海事都市発展ビジョンの推進や海事都市・今治の未来創生についてのトークセッションが行われました。セッション中には、徳永市長のお声がけで、今治造船株式会の檜垣幸人社代表取締役社長がご登壇されました。そして、同時に登壇した愛媛大学工学部の森脇学部長が、檜垣社長と共に、それぞれの想いを語りました。

記念写真(右から8人目が仁科学長)

令和7年度工学部安全衛生学生委員の任命式並びに第1回研修会を開催しました【6月4日(水)】

工学部では、学生への安全衛生情報の周知徹底、学生の安全衛生における意識の高揚及び教育レベルの向上、研究室あるいは研究グループ内の危険情報の収集・報告等、工学部に属する学生の安全衛生水準の向上を図るため、安全衛生学生委員を委嘱しています。

6月4日(水)に任命式並びに第1回研修会を開催しました。本年度も学生委員とともに安全安心な教育研究環境づくりに努めてまいります。

森脇工学部長による開会の辞
森脇工学部長による委嘱状授与の様子
神野工学部安全衛生委員長による研修会の様子

大学院理工学研究科の中江友哉さんが一般社団法人 軽金属学会第148回春期大会でExcellent EnglishPoster Awardを受賞しました【5月17日(土)】

令和7年5月17日(土)、大学院理工学研究科理工学専攻産業基盤プログラム(機能材料工学)博士前期課程2年生の中江友哉さんが、北九州国際会議場で開催された一般社団法人軽金属学会第148回春期大会において、英語のポスター発表を行い「Excellent English Poster Award」を受賞しました。

今回受賞した講演題目は「Effect of oxygen addition on the phase transformation in Ti-Nb alloys during heating」です。

「Excellent English Poster Award」は、軽金属学会の春期および秋期大会におけるポスターセッションにおいて優れた発表を行い、今後の発展が期待される35歳以下の研究者に贈られる賞です。

中江さんはチタン合金の構造変化に対する酸素の添加に関する発表を英語で行い、その内容が高く評価され、今回の受賞に至りました。

賞状を手にする中江さん

大学院理工学研究科2年生の福田起大さん、上嶋涼介さん、1年生の大村昂聖さん、大学院理工学研究科の池田善久准教授、神野雅文教授が「ISPlasma2025/IC-PLANTS2025 Best Poster Presentation Award」を受賞しました【3月7日(金)】

2025年3月3日(月)から7日(金)にかけて、愛知県春日井市の中部大学で開催された国際シンポジウム「ISPlasma2025/IC-PLANTS2025」において、大学院理工学研究科博士前期課程2年の福田起大さんらが、題目「Molecular Introduction into Plant Callus Cells by Multiple Plasma Treatments」(講演番号:04P-81)にてポスター発表を行い、Best Poster Presentation Award を受賞しました。

本研究では、マイクロプラズマによる植物細胞への分子導入機構における活性酸素種(ROS)の効果を明らかにすることを目的としました。その中で、細胞膜に存在する膜結合酵素複合体NADPHオキシダーゼによるROS生成を阻害すると、分子導入量が減少することが確認されました。

従来の研究では、プラズマによって生成される外因性ROSと、細胞が生成する内因性ROSの影響を区別していませんでしたが、今回、内因性ROSを選択的に阻害することで内因性ROSが分子導入において重要な役割を果たしていることを示しました。

受賞一覧(※別サイトへジャンプします)
https://www.isplasma.jp/www2025/award.html

 

大学院理工学研究科の廣畠大輝さんが日本生物物理学会中国四国支部大会若手発表奨励賞を受賞しました【5月18日(日)】

令和7年5月17日(土)から18日(日)にかけて香川県で開催された、2025年度第16回日本生物物理学会中国四国支部大会において、大学院理工学研究科電気電子工学分野博士後期課程1年生の廣畠大輝さんが行った「Electric Energy-Dependent Cell Responses to Plasma Treatment」と題した発表が、若手発表奨励賞を受賞しました。

本大会では全26件の研究発表があり、廣畠さんは、大会で定めた要領により、英語で口頭発表、質疑応答を行いました。

【プレスリリース】これまで分解しないとされていた市販の釣り糸が海洋で生分解することを発見【5月15日(木)】

ゴーストギア(漁業系プラスチックごみ)問題解決の決定打に

大学院理工学研究科の日向博文教授は、東京大学の伊藤耕三特別教授、安藤翔太特任助教らの研究グループに参画し、海洋では分解しないとこれまで共通認識されていた市販の釣り糸の中に、代表的な海洋生分解性ポリマーのセルロースと同等レベルで生分解する釣り糸が複数存在することを発見しました。

具体的には、市販されているナイロン6とナイロン6,6の共重合体の釣り糸の中で、共重合体の比率がある範囲に入る市販の釣り糸が、海洋中で生分解性ポリマーの標準物質であるセルロースと同程度の生分解性を示すことを世界で初めて明らかにしました。これは、ナイロンを非生分解性ポリマーとして扱ってきた教科書の記述や、高分子分野・水産業分野の共通認識が間違っていることを示し、これまでの常識を完全に覆すものです。

この発見を契機として生分解可能な釣り糸が世界中で盛んに利用されるだけでなく、漁網等の漁業系プラスチックの材料開発に展開が可能となることから、ゴーストギア問題の包括的解決が期待されます。

詳細はこちらからご覧ください。(愛媛大学HPへジャンプします。)

令和7年度第1回えひめ海事産業協働コンソーシアム運営会議を開催しました【4月25日(金)】

令和7年4月25日(金)、今治地域地場産業振興センターで、令和7年度第1回えひめ海事産業協働コンソーシアム運営会議を開催しました。

「えひめ海事産業協働コンソーシアム」は愛媛で学び育った高度エンジニアが、海事産業に携わり、その継続的な発展を⽀える循環を生み出すための取組みを、海事産業界、行政及び⼤学が連携して推進することにより、地域の海事産業の発展、造船技術の⾼度化の推進並びに諸課題解決に貢献できる人材養成に資することを目的として昨年11月1日付で設置いたしました。

今回は設置以来初の運営会議開催となり、活発な意見交換が行われました。

えひめ海事産業協働コンソーシアムは、今後も、地域の海事産業の発展、造船技術の高度化の推進並びに諸課題解決に取り組んでまいります。

コンソーシアム運営会議の様子

「船舶操縦制御特論」特別授業を行いました【5月8日(木)】

令和7年5月8日(木)、工学部5号館3階E531において、特別授業を行いました。

大学院理工学研究科 理工学専攻 産業基盤プログラム 機械工学分野学生向け「船舶操縦制御特論」の授業内で、株式会社新来島どっくの技術設計本部船型研究所 所長 龍 知宏氏にお越しいただき講義をしていただきました。授業ではまず新来島どっくの会社概要について説明があり、その後「造船所における研究・開発」と題し新来島どっくの研究・開発業務についてご紹介いただきました。

船が出来上がるまでの業務の進め方や新来島どっくの具体的かつ最新の研究・開発業務について説明があり、学生たちは熱心に耳を傾けていました。

会社概要説明の様子
講義の様子