愛媛⼤学⼤学院理⼯学研究科の神野雅⽂教授が、これまで⾏ってきたプラズマ分⼦・遺伝⼦導⼊の研究が評価され「源内⼤賞」を受賞しました。
この賞は、平賀源内の偉業をたたえて設⽴された公益財団法⼈エレキテル尾崎財団が、電気・通信技術等の研究分野で先導的・開拓的な研究業績を挙げた者を毎年選考し、授与するものです。
受賞タイトルは「プラズマ分⼦・遺伝⼦導⼊法の機序解明研究と実⽤化」です。
再⽣医療や遺伝⼦治療を⾝近な医療にするためには、細胞の中に遺伝⼦や薬の分⼦を送り込む技術が不可⽋です。しかし従来の⽅法には、細胞を傷つけたり、染⾊体の遺伝情報を乱してしまったりする「安全性」の⼤きな壁がありました。それに対して、本研究では、極⼩のプラズマをほんの⼀瞬(ミリ秒単位)だけ細胞に照射する「マイクロプラズマ法」を考案し、この問題を解決しました。
学術的な最⼤のブレイクスルーは、遺伝⼦が導⼊される仕組みの解明です。プラズマがもたらす「微弱な電流」と「活性酸素」の複合刺激が、細胞が本来持っている物質を取り込む⾃然な働き(エンドサイトーシス)を優しく呼び起こすことを世界で初めて突き⽌めました。細胞の膜を無理やり破るのではなく、細胞⾃⾝の⼒を引き出して導⼊するため、ダメージが極限まで抑えられます。その結果、遺伝情報を汚染しない「極めて安全で⾼効率な分⼦・遺伝⼦の導⼊」を世界で唯⼀実現しました。
電気⼯学と⽣命⼯学を融合させたこの画期的な成果は、愛媛⼤学発ベンチャーを通じて2025年に専⽤装置として製品化されました。最先端の医療を広く⼀般の⼈々に届ける「夢のツール」として、社会実装の⼤きな⼀歩を踏み出しています。
