大学院理工学研究科物質生命工学専攻博士前期課程2年生の坂田健太郎さんが第27回溶接学会四国支部講演大会で優秀発表賞を受賞しました【3月9日(水)】

 令和4年3月9日(水)に開催された「第27回溶接学会四国支部講演大会」(オンライン開催)において、大学院理工学研究科物質生命工学専攻博士前期課程2年生の坂田 健太郎さん (指導教員:大学院理工学研究科(工学系)水口 隆 准教授)が、「優秀発表賞」を受賞しました。受賞した講演題目は「パルスガスMAG溶接法における溶滴移行形態に及ぼす溶接条件の影響」です。
 坂田さんの研究グループでは、炭酸ガスアーク溶接におけるスパッタ低減のため、二重のシールドガスで溶融池を大気から保護することができる構造のノズルを用い、内側のノズルにArガスを間欠的・周期的に添加し、アーク柱内のガス組成を周期的に変化させる「パルスガスMAG溶接法」を開発し、特許を取得(特許第6711971)しています。この溶接法を用いてAr添加条件を適切に選択すれば、Ar添加1周期に対し、アーク柱内のガス組成がAr主体である期間に1溶滴だけの落下(同期)とすることができ、スパッタを低減することが可能です。アーク溶接では、溶接する部材や方法に応じて様々な溶接条件を用いることから、坂田さんは、同期条件に与える溶接条件の影響について解明しました。本研究結果は、パルスガスMAG溶接の社会実装に大きくつながります。
 坂田さんの発表の際の声量と話す早さ、スライドのわかりやすさ、質疑応答での適切な回答及び研究成果の社会的波及効果が評価され、今回の受賞に至りました。

賞状
受賞した坂田さん
 

【化学・生命科学コース】在学生インタビュー

化学・生命科学コース

化学・生命科学コースには魅力がたくさん!
3人の在学生にインタビューしてみました。

Q.化学・生命科学コースを選んだ理由は?


Aさん

ありきたりかもしれないけど、
高校生の時に化学が得意で、
もっと突き詰めて学んでみたかったから。


Bさん

ありきたりでもいいんじゃない? 

僕ももともと化学が好きで、
愛媛大学の化学・生命科学コースでは幅広く化学を学べる
っていうのを魅力に感じたんだよね。


Cさん

2人とも「化学が好き」っていうピュアな動機だったんだね。

私の場合は、化学そのものというより化粧品の開発に興味があって、
研究開発の道が開ける化学・生命科学コースを選んだよ。

ここではものづくりに関して実践的な知識や技術を学べると知って、
「ここだ!」と思ったな。


Aさん

私の後輩には1年生のときの授業を聞いて化学が面白いと思って
このコースを選んだ
人がいるよ。

授業で先生が言っていたんだけど、世の中の全てのモノは分子からできていて、
機械とか材料とか電子部品とか、すべてに分子が関わっているんだよね。

スマホのタッチパネルとか、もちろん薬を作るのとか、水をキレイにするのも化学。
そういう話を聞いて化学を選んだって。


Bさん

まあ、いろんな動機の人がいるよね。
なんとなく選んだっていう人もいるし。

けど、このコースで化学を勉強してて
ツマラナイって言ってる人には会ったことがないな。

研究室での実験の様子

Q.化学・生命科学コースで何が学べるの?


Cさん

このコースに入ってまず思ったのが、化学ってすごく広いなー
ということ。

たとえば科目だけでも
高分子化学生化学有機化学物理化学分析化学無機化学
科学技術英語化学工学、などなど、
その他にも化学に関わる幅広い範囲の授業を受けることができるよね。

分子が関わっているところはぜんぶ化学って言えるから、
高校の物理とか生物なんかも深く関わっているところが多いし、
化学に関する英語の文章を読む授業もある。


Bさん

たしかに授業では幅広く学べるね! 

実験の授業もあって、
実際に実験器具を用いて化合物を作ったり分析したり、
実験レポートを書いたり、
将来につながる技術も身につけることができたと思う。

それに、3回生の後期からは
最終的に学びたい分野の研究室に所属して、
より専門的な知識を得ることもできる。

授業では広く、研究室では深く学んでるっていうカンジかな。


Aさん

授業だと、化学メーカーで働いている方が
大学に出向いて企業紹介をしてくれる
こともあったね。
企業の方から直接お話を聞けたのは貴重な体験だった。

そういった様々な授業を通して、
いろいろな分野に化学が繋がっていることを知ることができて、
将来やりたいことの視野も広がったな。

Q.印象に残っている授業や実験は?


Aさん

私は高分子化学の実験で、
接着剤やスライムを作った実験が印象に残ってる! 

世の中にある素材が、本当に化学の力で生み出されているんだと
実感できる授業だったし、
スライムを分子レベルで理解する日が来るなんて
思ってもみなかった。


Bさん

僕は愛媛県にある化学メーカーへ
工場見学に行った
ことが印象的だった。

仕事内容とか、製品の製造過程なんかを
実際に自分の目で見ることができて、
自分が将来働くイメージを膨らませることができたと思う。

みんなでバスに乗ってワイワイ行ったのも、
遠足っぽくて楽しかったよね。


Cさん

私は科学技術英語とかの英語の授業
複数回あったことが印象に残ってるよ。

将来、英語の論文を自分で読む機会もあるし、
とてもためになる授業だった。

研究室での実験の様子

Q.どのような就職先があるの?


Bさん

化学メーカーはもちろん、
化粧品メーカー製薬会社MRになったり。

工学科ではこのコースでだけ高校理科の教員免許を取得できるし、
そうすれば先生にもなれるね。


Aさん

そうだね。

ちなみに私も
念願の化学メーカーでの研究開発職が決まりました!


Cさん

おめでとう! 

これから実際に自分の手で製品を作っていくのは
ワクワクするね。


Bさん

大学で化学への興味が深まって、
大学院へ進学する人も半数くらいいるよね。

大学院ではより専門的な知識や技術を
しっかり身に付けることができるのは魅力的だな。

Q.化学・生命科学コースに入ってよかったことは?


Aさん

やっぱり、幅広い選択肢があったことがよかったと思う。

化学という広い分野の中で何を自分の専門にするのか、
授業や実験を通してよく考えることができる点は魅力的だな。


Bさん

私学と比較すると
学生一人当たりの先生の人数が多いことも推しポイント! 

研究室に配属した後も、
手厚くご指導いただけて嬉しいです。


Cさん

私は毎日が充実していたことが良かったな。

幅広く化学のいろんな分野があるので、
知識を吸収するのに勤しんだり、実験レポートに明け暮れたり、、、

正直、ちょっとタイヘンだなと思うこともあったんだけど、
ひとつひとつを乗り越えていって、
しっかり勉強できたという自信になったな。

就職先でもその知識を活かすことができるのは心強い!

【材料デザイン工学コース】受験生へのメッセージ

 材料デザイン工学コース 3回生 芝田翔真

 私が材料デザイン工学コースを選択したきっかけは高校2年生の夏休みに参加した愛媛大学オープンキャンパスです。このとき、初めて材料工学の存在を知りました。オープンキャンパスに参加する前にも、世の中の物が原子や分子など、想像できないほど小さな粒子で出来ていることの奇妙さに興味を持っていましたが、オープンキャンパスに参加したことで大学では材料と構成粒子の因果関係を勉強したいと思い、進路として材料デザイン工学コースを選択しました。

 実際、本コースでは、原子レベルのミクロな視点で材料を勉強します。しばしば「組成-構造-特性」というキーワードが出てきます。これは何の原子がどのように配列しているかで材料特性が決定されることを意味しています。この視点で材料を評価するのがおもしろいです。ここで、材料といっても金属・無機・有機・セラミックス材料と多岐にわたります。2回生でコース選択があり、材料デザイン工学コースに進めば、上記の各種材料について専門的な授業を受けることができます。私の中で最も印象に残っている授業は「金属強度学」です。この授業では金属材料に添加元素を加えたり、組織を微細化したりすることで材料強度を高くできるということを知りました。身近な強度の話題がミクロな視点で説明されるところが興味深かったです。その他にも金属の微細組織や熱処理に関する授業が印象に残りました。私は現在3回生ですが、3回生の後期からは研究室に仮配属され、4回生で行う卒業研究の準備に入っています。これまで受けた授業の中から、自分の気に入った材料を選択して、卒業研究ができるのも大きな魅力です。

 大学の授業では、しばしば課題も出されます。高校とは違いレポートが多く課されます。インターネットや図書館で資料を探し、レポートにまとめる作業は時間がかかりますが、その分知識が整理され定着します。力を注いだ分、社会に出てからも必要となる実力が身につきますので、私はペーパーテストよりもレポートが気に入っています。特に私は実験レポートの考察にはこだわり、力を入れました。これまでは、授業で行う学生実験を行ってきましたが、今後、4回生から行う本格的な卒業研究が楽しみです。

 さて、受験生の皆さんが考える大学生活はどのようなイメージでしょうか。私は高校生の時、大学生は忙しそうなイメージでしたが、案外自由に使える時間がたくさんあります。私は大学から学業以外の時間で新しいことを始めたいと思い、ヨット部に所属しています。ヨットは海上で帆を張り、風の力のみで進みます。大自然の中での活動は気持ちがいいし、本当に楽しいです。活動日は土日なので、充実した週末を毎週過ごせています。学業以外のことで、大学生のうちにしかできないことを始めるのも大きな楽しみなのではないでしょうか。

2021年度四国インカレ団体戦の出艇前の集合写真(著者は後列最左)

大学院理工学研究科の水口 隆 准教授及び小原 昌弘客員教授が一般社団法人溶接学会 溶接法研究委員会「令和2年度溶接アーク物理研究賞」を受賞しました。

 このたび、愛媛大学大学院理工学研究科の水口 隆 准教授及び小原 昌弘 客員教授の研究グループは、川田工業株式会社および株式会社神戸製鋼所と共同で、一般社団法人溶接学会溶接法研究委員会の「令和2年度溶接アーク物理研究賞」を受賞いたしました。

 同研究グループでは、過日、溶接部を大気から保護するための炭酸ガスからなるシールドガス中に、空気砲の様にパルス状にした微量のアルゴンガスの塊を1秒間に50回程度投入することによって、溶加材の溶融状況を小滴化し、スパッタの発生を大きく低減させる新しい溶接技術を開発し、特許を取得(特許6711971)しました。この溶滴移行制御が可能なアルゴンガス添加条件範囲を検討した「パルスガスMAG溶接法の開発-溶滴移行制御のためのArガス添加条件の実験的検討」と題した共同研究内容が、このたび、一般社団法人溶接学会溶接法研究委員会において溶接における物理現象の解明と溶接技術開発に関して高く評価されたため、受賞に至りました。

 愛媛大学工学部及び理工学研究科では、地域産業と大学の研究との連携をより一層強化し、地域産業の課題解決に貢献していく体制を構築中です。今後も溶接の高能率化に向けた研究開発に取り組み、地域産業の課題解決と地域産業の国際競争力の強化に寄与します。

賞状と楯

(Webオープンキャンパス)材料デザイン工学コース個別相談コーナーの事前申込みの開始について

Webオープンキャンパス

材料デザイン工学コース

個別相談コーナーの事前募集

今年度のWebオープンキャンパスにおいて、材料デザイン工学コースでは、ZOOMを用いたオンライン個別相談を実施いたします!

相談時間はおひとり20分で、先着20名までとさせていただきます。

ご希望の方は以下のURLもしくはQRコードにアクセスしていただき、事前申込みを行ってください。申込の際に記載していただいたメールアドレスに、ZOOMにアクセスするためのURLをお送りいたします。

ぜひお気軽に申し込みください。お待ちしております。

 

日時:8/9(日)10:00~16:20

   (おひとり20分、先着20名まで)

申込URLhttps://forms.gle/z2BqEm5Zt5TNnEbN8

申込QRコード

申込締切2020年8月2日(日)

下元浩晃講師、井原栄治教授らの研究グループの研究論文が、2019年7月と9月に国際的な学術誌「Macromolecules (IF = 5.997)」に掲載されました。

 下元浩晃講師、井原栄治教授らの研究グループの研究論文が、2019年7月と9月に国際的な学術誌「Macromolecules (IF = 5.997)」に掲載されました。
 Macromoleculesはアメリカ化学会発行の高分子分野のトップジャーナルで、科学の各分野を代表する82の学術誌が選ばれているNature Index 2019Journal Listにも入っています。

【論文内容の要約図】

(1) (2)

DOI: 10.1021/acs.macromol.9b00653 DOI: 10.1021/acs.macromol.9b00857
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.macromol.9b00653 https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.macromol.9b00857

【論文タイトル】

(1)Poly(β-keto enol ether) Prepared by Three-Component Polycondensation of
         Bis(diazoketone), Bis(1,3-diketone), and Tetrahydrofuran: Mild Acid-Degradable
         Polymers To Afford Well-Defined Low Molecular Weight Components,
         DOI:1021/acs.macromol.9b00653

(2)Polymerization of Alkyl Diazoacetates Initiated by Pd(Naphthoquinone)/Borate
         Systems:Dual Role of Naphthoquinones as Oxidant and Anionic Ligand for Generating
         Active Pd(II)Species, DOI: 1021/acs.macromol.9b00857

遺伝暗号の読み取りを強化するtRNAのメチル化の仕組みを 構造解析と生化学解析によって解明

 化学生命科学コースの堀 弘幸教授、平田 章講師、大学院生の岡田圭祐さん、吉井一晃さん、学部生の白石裕之さんの研究グループは、高エネルギー加速器研究機構・物質構造科学研究所の清水信隆教授のグループと共同で、tRNAの遺伝情報読み取り部位(アンチコドン)のメチル化酵素複合体・Trm7-Trm734の構造解析を行ない(図)、生化学解析を併用して、どうして、このタンパク質複合体が特定のtRNAのみに作用するのか、またTrm734はメチル基転移反応でどういう役割を持っているのかを解明しました。tRNAのアンチコドン一文字目のメチル化は、遺伝暗号の読み取りを強化し、タンパク質合成でのエラー頻度を低下させます。ヒトでは、このメチル化の欠損は、X染色体リンク精神発達遅滞を引き起こします。したがって、本研究はタンパク質合成の仕組みの一端を解明したものですが、ヒトの遺伝形質の発現の理解や新たな遺伝子診断法の開発にも基本情報を与えるものです。
 本研究の成果は、2019年10月5日、Nucleic Acids Research(IF=11.147)電子版に先行掲載されました。また、全学HPのプレスリリースでも紹介されました。

URL:https://www.ehime-u.ac.jp/data_relese/data_relese-105529/

国際的な学会誌に論文が掲載されました!

 上田将史さん(博士後期課程 応用化学コース、平成27年度修了)、尾木大祐さん(博士後期課程 応用化学コース、平成28年度修了)(指導教員はいずれも化学・生命科学コース 構造有機化学研究室 御崎洋二 教授)の研究論文が2019年4月に、国際的な学術誌「Chemistry – A European Journal (IF = 5.160)」および「European Journal of Organic Chemistry (IF = 2.882)」にそれぞれ掲載され、表紙デザインにも採用されました。

(1)DOI: 10.1002/chem.201901030
(2)DOI: 10.1002/ejoc.201900457
 

【論文タイトル】

(1)Hydration of Polycationic [5]Radialene with Quintuple 1,3-Dithiol-2-ylidenes Leads to a New Class of π-Extended Tetrathiafulvalene Scaffold, DOI: 10.1002/chem.201805994

(2)Tris-Fused Tetrathiafulvalenes Extended with an Anthraquinoid Spacer as New Positive Electrode Materials for Rechargeable Batteries, DOI: 10.1002/ejoc.201801877

工場見学に行ってきました(2019年1月23日)

 2019年1月23日に、機能材料工学科3年生25名、機能材料工学コース博士前期課程1年生2名、教員3名の計30名で、株式会社新来島どっく(今治市)と住友重機械ハイマテックス株式会社(新居浜市)の2件の工場見学を行いました。
 造船および産業機器の製造工程の様子を見学し、大学の講義で学んでいる内容がどのように実際に役立っているのかを見学を通じて学びました。

㈱新来島どっく:船体の見学
住友重機械ハイマテックス㈱:ロール工場外観
住友重機械ハイマテックス㈱:ロール工場,電気炉による金属の溶解