工学部附属船舶海洋工学センターサマースクールを開催しました【令和4年9月16日(金)】

 令和4年9月16日(金)、造船関連企業の若手技術者と学生との交流を図るため、愛媛大学工学部で、船舶海洋工学センターサマースクールを開催しました。造船所4社から各1人ずつ、愛媛大学学生4人および教員2人が参加しました。
 企業の方と学生との共同作業(ダイヤモンドコーティングの実験)、および造船業に関する質疑応答の時間を通じて、普段の業務や学業と異なる分野の研究や、学生が造船業に対して持っている疑問や造船業の魅力に触れる機会となりました。

 

【研究紹介】尾崎良太郎先生(理工学研究科電子情報工学専攻)

工学に興味を持ったきっかけや先生になったきっかけは? 
 もともと、ガンダムの影響なのか、宇宙やロボットには興味があったのですが、特に理科が大好きだったとかではなく、普通の生徒でした。ただ、高校のテストで、他の科目より点が取れたことから物理が徐々に好きになっていきました。愛媛大学工学部に進学し、普通の学生生活を送り、学部卒業後にすぐに就職しました。時代は就職氷河期だったのですが、なんとか運良く、地元の会社に就職することができました。しかし、色々な事情があって半年で会社を退職しました。会社を辞めることを決める前は、「就職が難しい時代に急に無職になる…」とすごく悩みましたが、一度きりの人生だからと覚悟を決めて決断しました。退職後は、愛媛大学大学院に進学しました。大学院では、自分のお金で学費を払っていたので、お金がもったいないと思い、日々まじめに勉強・研究していたところ、先生から博士課程に進学することを勧められました。大学院卒業後は、会社に就職するつもりだったため、初めは進学する気はありませんでした。あるとき、自分の中で会社を辞めた時の覚悟はこんなものだったのかと思い直し、周囲ともよく相談した結果、大阪大学で博士課程に進むことを決断しました。その後、どうせ勉強するならとことん追求して研究者になろうと思い、現在に至っています。

尾崎良太郎先生


研究内容は?
 初めは液晶応用を主に研究していました。液晶と聞くと、ディスプレイを想像すると思いますが、それ以外でレーザーやアンテナなどほかの使い方を検討していました。今は、液晶の研究と並行して絶縁材料や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、真珠なども研究しています。

工学と真珠、想像もしない組み合わせですが、真珠の研究をしようと思ったきっかけは?
 真珠の研究に関わるとは、考えたこともありませんでした。外部から誘いを受けたことがきっかけです。その人は、ものすごい熱意のある方で、気が付いたら真珠の研究に巻き込まれていたという感じです。

具体的にどんな研究をされていますか?
 真珠は貝殻にあるアラゴナイト結晶層という層の厚さの違いで見た目が変化します。厚くなるにつれてオレンジ、ピンク、みどりと色が循環していきます。養殖真珠はピース貝と呼ばれる貝の外套膜の一部と核を母貝に入れることで生産しています。ピース貝の色が良いほど良い真珠ができると思ってもらって構いません。そのピース貝ですが、これまでは目視でピース貝の色を選別していましたが、我々はアラゴナイト結晶層厚を計測する装置を開発して、目視ではなく、スペクトルを調べ、数値に基づく選別を行えるようにしました。それによって、より正確にピース貝の色、すなわち、真珠の色をコントロールすることができるようになりました。
 また、真珠がなぜ美しい色を創り出すのか?ということにも興味があったので、真珠の輝きの原理なども研究しています。真珠のなかで光がどのように伝わるのかを考え、その物理現象をどうすれば数式で再現できるかを考えています。最初の大きな壁だったのは、光の散乱と干渉です。真珠のなかでは、光の散乱と干渉が起こっているので、これを式で表現すれば良いだけなのですが、干渉の計算では光を波として扱うのですが、散乱の計算では光を波として扱っては計算することは難しいのです。散乱では、波というより光のエネルギーに注目して計算します。では、光のエネルギーに注目して計算したら良いのでは?と思うかもしませんが、光のエネルギーに注目すると、今度は、光の干渉の計算ができません。この干渉と散乱の計算をうまく両立して計算させる方法を思いつくのに3~4年かかりました。その後は、その計算結果を使って真珠の外観を再現することに成功し、真珠の構造がこうなれば、こんな色を示すといった予測をすることが可能になりました。現在は、その技術をさらに発展させて光沢や映り込みを加え、本物の真珠かCGの真珠か区別がつかないほどのリアルなCGを作れるようになってきています。これらの研究を通して、少しでも真珠業界の発展に貢献できればと思っています。

真珠(一番右はプラスチックのビーズ) 中央にある金色の真珠は数万円以上の価値がある
真珠の説明をする尾崎先生


難しくあきらめたりすることは?
 難しいからといって、あきらめることはありませんでした。これは私の考えですが、この世の中に存在しているものは、たぶん全て計算できると思っています。だから、今できていない難しいことは、「きっとできるけど、今は分からないだけ。」と思っているので、やめようというようなは考えにはならないです。
 ちなみに、分からないことが分かることに変わるきっかけは、学生と話しているときが多いです。例えば、研究結果を見て学生と議論しているときに「あれ?もしかして、こうじゃない…?」と突然、閃きます。
 でも、やっぱり、研究で一番大事なのは、学生さんの突破力です。教員は総合力はあるのですが、学生ほど突破力をもっていません。なぜ学生が突破力があるか?ということの説明は難しいですが、やっぱり、若さが関係しているだと思います。突破力ってすごく大切で、全部を知らなくても良いんですよ。全般的な知識がなくても、一点集中でそこだけ突き破れる力があれば、それで構わないんです。私の研究室では学生が主となって研究しており、若い人の突破力で新しい発見が生まれています。

今後の展望は?
 今、全く想像ができないことをしたいです。今の自分の頭の中にあることの延長線上のものは、正直あまり面白くなくて、真珠の研究のように、まさか自分が関わると思っていなかったような未来予想ができないこと、想定外のことの方が面白いと思うので、そういった研究をしたいです。あとは、世の中にあるものを全て計算したいという思いもあります。いろいろなものを計算することが好きなのだと思います。
 今後、それをどう実現していくかということですが、私は研究室で「今できることをやらない」ということを心がけています。だから、学生さんの研究でも、その学生が絶対にできないことしかテーマにしません。いわば無茶ぶりです。人は、自分でもできそうなことをやりたいと思う傾向が強いです。ただ、自分ができそうなことばかり選んでやっていると、できそうなことの範囲からいつまでたっても出ることはできません。そもそも、成長というのは「できないことができるようになること」ですよね?だから、研究室では「できないこと」にしか取り組まないようにしています。さらにいうと、私の研究室では、私のできないことを学生さんに研究してもらうことが多いです。どうせ学生さんは何も知らないのだから、どうせだったら、私の知らないことを勉強してもらいます。例えば、私ができることを学生に教えると、単に私の劣化版ができ上がるだけです。それってあまり意味がないと思っています。そもそも、研究者というのは「誰もできない・知らないこと」に挑戦することが重要なことだと思っています。だから、学生さんにはその練習・経験をしてほしいと思い、研究室では誰も経験がないことを研究テーマとしてやってみてと依頼します。先ほども、言いましたが、人はできそうなことに手を伸ばしがちです。でもよく考えてみてください。自分が簡単にできることって、世間的に「すごいこと」だと思いますか?きっと、他の人でも簡単にできますよね。だから、今できることをやらない。できないことに挑戦することを、とにかく、それを大切にしています。今後も、今自分たちができないことにチャレンジし続けて、いつか、「今自分たちができないこと」が「世界の誰もできないこと」と同じ意味になるようにしたいと思っています。

※本記事は愛媛大学インターンシップの一環として作成されました。

【研究紹介】河合慶有先生(理工学研究科生産環境工学専攻)

工学に興味を持ったきっかけは?
 幼い頃は、山や川に囲まれた環境で育ち、よく虫を捕りに行ったり、川で遊んだりしていました。身の回りに自然が多く、橋梁、トンネル、堤防やダム等の鋼やコンクリートでできた構造物が身近にある生活を送っていたからか、気がついたら大規模なインフラ構造物に興味を持っていました。そのせいもあってか、中学生の時には土木分野へ進みたいと心に決めていました。

河合慶有先生

 

大学の先生になろうと思ったきっかけは?
 大学卒業後、企業に就職し海外プラントエンジニアリング会社でシビルエンジニアとして仕事をしていましたが、そこで様々な経験をするうちに、自分の力不足を強く感じるようになりました。「このままでは駄目だ!」と一念発起し、大学時代の恩師の紹介もありシンガポール国立大学の大学院に進学しました。大学院にはシンガポール政府の奨学金を受給して進学しましたが、アジアトップクラスの大学で、欧米諸国、アジアの国々からの優秀な学生がひしめく中、とにかく必死に勉学や研究に励みました。
 英国、ドイツ、イラン、インド、ベトナム、インドネシアや中国など様々な国籍の学生が在学する環境で、様々な言語が飛び交い考え方の違いに触れ、ここには日本の大学環境では得られないものがたくさんあると感じました。語学力もそうです。異なる背景も持つ教員や学生と議論し研究を進めていくためには、より実践的な英語(グロービッシュと呼ばれる)を身につける必要があると痛感しました。Ph.D.取得後は、コンクリートの研究を続けながら世界級キャリアを積み重ねるとともに、自分のようなグローバル人材を育成したいとの思いから大学教員になりました。

研究内容は? 
 鉄筋コンクリートの耐久性が専門です。近年は、微生物を用いたひび割れ補修や腐食抑制技術について研究しています。
 「ところ変わればコンクリートも変わる」これは大学時代の恩師がおっしゃっていたことです。コンクリートはそれぞれの地域で調達できる材料を使用します。いわば地産地消です。そのため、国、地域でコンクリートに含まれる材料は変わるのです。加えて、コンクリートは水の次に地球上で使用されてきた材料で、世界中どこにでもあります。つまり、国際学会に行くと「様々な」コンクリートを研究しているいろいろな研究者と語らうことができ、新たな繋がりがどんどん増えていきます。コンクリートの研究を通じて国内外の多様な研究者と出会うことも研究のモチベーションの一つです。
 卒論の頃からコンクリートについて研究していましたが、さらに視野を広げることができた出来事がありました。2015年にコンクリートの微生物によるひび割れ補修で世界をリードしているオランダのデルフト工科大学に留学したことです。シンガポール国立大学で学んでいた頃、デルフト工科大学のブリューゲル教授の微生物の補修技術に関する講演を聞いたのがそのきっかけでした。その後、大学教員となっていた私は、自分が研究している分野で世界をリードしているMicroLabのブリューゲル教授のもとで学びたいと思い、大学院生時代に聞いた講演の感想と学びたい熱意をメールで伝えました。その後、幸運にも受け入れOKのメールをいただくことができ、半年間の短期留学が決まりました。現地に行くと、研究室の学生達が「こんなことは通常有り得ないんだぞ!なんてラッキーなんだ。」と何度も言われました(笑)。そこで学んだ微生物を用いる補修技術が今の私の研究に繋がっていて、近年では社会インフラ材料学として既存のコンクリート工学以外の工学的アプローチを取り入れ、研究では微生物など幅広くいろいろな材料を扱うようになりました。
 コンクリートの中には鋼材が入っています。コンクリートのアルカリ環境下では鉄の表面は不動態被膜で覆われ、酸化しにくい状態になっています。しかし、時間が経つとコンクリートのひび割れからの塩分や二酸化炭素の侵入によって不動態被膜が破壊されてしまい、鉄筋が錆びてしまいます。さらに、腐食生成物の膨張によって新たなひび割れが発生します。そうやってインフラ構造物の鉄筋コンクリートはどんどん劣化していきます。それらを未然に防ぐための自己治癒によるひび割れ補修・腐食抑制技術が研究対象です。
 ひび割れ補修では、納豆菌の代謝によって析出する炭酸カルシウムが水分や酸素の供給源となる隙間を自動的で埋め、高い止水効果を得られます。一方、好気性微生物をセメントに練り混ぜることで溶存酸素量を低減し、鉄筋周辺を貧酸素状態にする方法が腐食抑制技術です。好気性細菌は温度・湿度の変化に強く、10~11までの高いpHにも耐えることができます。また、大きさが2~3㎛でコンクリート内部の空隙よりも小さいため、固まった後も死滅せずにひび割れ等から供給された酸素を消費することができます。この研究は2015年から始めたのですが、コンクリート内部の酸素拡散が腐食反応を律速することを証明することが難しく、論文が認められるまでに5年もかかりました。

研究内容(左:ひび割れ補修、右:腐食抑制技術)

 

先生のコンクリートの技術はどんなところで使われていますか?
 来年までに静岡市の海釣り公園の整備事業で試験施工を実施する予定です。自己治癒材の使用はコストアップもあるのですが、公共の建設事業には過去の施工実績が必要となります。ですので、新たな材料を造って世界で認められるような論文を出しても実際の構造物に使用された実績がなければ、なかなか社会実装するのは難しいのです。今回の試験施工に続いて実構造物での施工実績を増やすために、広く情報を発信することが重要だと思っています。

今後の展望は?
 これまでの研究成果を踏まえて、地域ごとの材料・環境の違いを考慮して、自己治癒材の効果的な適用方法を研究したいと思っています。特に、地球温暖化や異常気象等による環境条件の変化はコンクリートの劣化に大きな影響を与えるので、より効果的な補修材料を模索したいと考えています。

※本記事は愛媛大学インターンシップの一環として作成されました。

愛媛大学工学部附属船舶海洋工学センターコンソーシアム会議及び講演会を開催しました【8月19日(金)】

 令和4年8月19日(金)、愛媛大学工学部附属船舶海洋工学センターコンソーシアム会議及び講演会をオンラインで開催しました。
 本会議は、愛媛県、今治市、四国運輸局をはじめ造船・舶用関連企業並びに金融機関の代表者で構成され、本学学長が議長を務めています。会議では、令和3年度の本センターの活動内容及び令和4年度の活動計画について報告しました。
 続いて、講演会を実施し、工学部附属船舶海洋工学センターの田中進センター長の挨拶の後、関西設計株式会社技術顧問・大阪大学・九州大学名誉教授であり、当センターのアドバイザーでもある柏木 正氏による「海事産業での変革のための新動向と海洋人材の育成」と題した講演が行われました。
 本講演会には、コンソーシアム参加企業、工学部の教職員等約40人が参加し、講演後には出席者との質疑応答や活発な意見交換が行われ大変有意義な時間となりました。

柏木氏による講演の様子

令和4年度科学体験フェスティバル開催中止のお知らせ

 令和4年11月12日(土)・13(日)に開催を予定しておりました「令和4年度科学体験フェスティバル」について、新たな変異株による新型コロナウイルス感染が拡大している現状で、依然として収束する見通しが立っていないことから、来場者及び関係者の健康や安全面を第一に考え、昨年に引き続き、今年の開催は中止することを決定しましたので、お知らせします。
 本年度の開催を楽しみにされていた皆様には、大変残念なお知らせとなりますが、何卒ご理解いただきますようお願いします。
 来年こそは、新型コロナウイルスが収束し、本フェスティバルが無事に開催できますことを切に願っております。

令和4年度 工学部教育貢献賞の表彰式を挙行しました。【8月3日(水)】

 令和4年8月3日(水)9時20分から工学部大会議室で工学部教育貢献賞の表彰式が行われました。
 工学部では,学部教育において優れた貢献をした教員を表彰する制度を導入しており、今年度は、機械工学コースの金城 絵利那 助教、電気電子工学コースの西川 まどか 特任講師の2名に高橋 寛工学部長から賞状と盾が授与されました。
 金城助教は、コロナ禍の機械工学コース生対象授業(遠隔非同期)において、効果的な指導を行った功績が評価されました。
 また、西川特任講師は、学生専門委員会委員として学校推薦型選抜Ⅰの入学予定者に対する予備教育での効果的指導法が評価され、今回の受賞となりました。

左から西川特任講師、高橋学部長、金城助教
授与された盾
 

令和4年度コンソーシアム運営委員会・技術連絡会を開催しました【7月7日(木)】

 令和4年7月7日(木)、今治地域地場産業振興センターで、愛媛大学工学部附属船舶海洋工学センターコンソーシアム運営会議を開催しました。新型コロナウィルス感染症の影響で3年ぶりの対面開催となりました。
 また、会議に先立って技術連絡会を開催し、愛媛大学工学部附属船舶海洋工学センター長の田中進教授が「造船・舶用工業分野における企業連携型学生研究について」と題しプレゼンテーションを行い、コロナ禍にもかかわらずコンソーシアム参加企業から25人が参加しました。

 

2022オープンキャンパスを開催します!【8月10日(水) 要事前申込】


今年度のオープンキャンパスは、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、「愛媛大学Webオープンキャンパス特設サイト」(7月20日(水)公開。下部リンク参照)で行う「Web開催」と、実際に工学部の様々なコンテンツを体験できる「現地開催」(8月10日(水) 要事前申込)の2つの形式で開催します!
現地開催の詳しい企画内容は各コースのプログラム内容(PDFリンク)をご確認ください。
また、工学部独自のコンテンツとして、Web(Zoom)による「入試相談会」(8月9日(火)13:00~)を実施します!(URL:https://zoom.us/j/91458392525

皆様のご参加をお待ちしてます!

【愛媛大学Webオープンキャンパス特設サイト】(7月20日(水)公開)
URL:https://www.ehime-u.ac.jp/entrance/open-campus/#online
ポスター:https://www.ehime-u.ac.jp/wp-content/uploads/2022/05/oc2022.pdf

【注意事項】
(現地開催について)
※現地開催のオープンキャンパスに参加するには、Webでの事前申込が必要です。
 「申込受付(外部リンク)」から、7月13日(水)9:00 から24日(日)24:00の期間内にお申し込みください。
 事前申込をしていない方は参加できませんので、ご注意ください。
※新型コロナウイルス感染症の拡大や自然災害の発生等により、中止となる場合があります。その場合は愛媛大学ホームページでお知らせします。
※今年度の現地開催オープンキャンパスは、高校3年生と既卒者を対象としています。
※秋には、事前申込制(人数制限有)でどなたでも参加できるミニオープンキャンパスを開催予定です。 
 申込方法については、改めてお知らせいたしますので、ホームページをご確認ください。
(工学部独自コンテンツ「入試相談会」について)
※入室する際は、名前を学校名(漢字)と苗字(カタカナ)で入力してください。(例:愛媛高校イトウ)
※入室時はマイクとカメラをOFFにしてください。
※発言する際は手を上げるアクションを行ってください。ミュートを解除します。
※参加中はホストの指示に従ってください。
※以上の注意事項に違反した場合には、入室拒否及び退出させられることがございます。ご了承の上、ご参加ください。

令和4年度 安全週間企画「キ・ケ・ンをさがせ!」の表彰式を開催しました【7月1日(金)】

 工学部では安全衛生活動の一環として、全国安全週間に合わせた企画「キ・ケ・ンをさがせ!」を行っています。これは日常の就業、就学時において「キケン」を感じた事例を、工学部の教職員および学生から募集し、「キケン」の把握および改善を行うことにより、事故を未然に防ぐための活動です。この取組みは、今年で15年目となります。

 応募された事例について工学部の安全衛生委員会で審査を行い、今年度は学生から最優秀賞1件(結城 夏帆さん)、教職員から最優秀賞1件(本郷 友哉さん)を選出し、7月1日(金)に表彰しました。
 応募いただいた事例は、今後の安全安心な教育研究環境づくりに役立ててまいります。

森脇 工学部安全衛生委員長による表彰式の様子
(左から最優秀賞 本郷 友哉さん、結城 夏帆さん、森脇工学部安全衛生委員長)

工学部機械工学コース4年生の岡本孝祐さんが「日本機械学会中国四国学生会第52回学生員卒業研究発表講演会」において「優秀発表賞」を受賞しました(令和4年3月3日)

 令和4年3月3日(木)に行われた「日本機械学会中国四国学生会第52回学生員卒業研究発表講演会」(zoomオンライン開催)において、工学部機械工学コース特殊加工学研究室4年生の岡本孝祐さん(指導教員:大学院理工学研究科 豊田洋通教授・朱霞教授)が「優秀発表賞」を受賞しました。受賞した講演題目は「液中プラズマCVD法によるダイヤモンド成長に関する基礎研究」です。

 本賞は、日本機械学会中国四国学生会卒業研究発表講演会において、すばらしい口頭発表を行った学生員に対してその努力と栄誉をたたえ贈呈される賞です。本年度は約200の講演の中から25名が選ばれました。

 岡本さんの研究グループでは、愛媛大学独自の技術である液中プラズマプロセスを用いてアルコールを原料にしたダイヤモンド合成に関する研究を行っています。大幅な高速化、高い熱伝導性、過酷な状況下でも動作可能などの特性から、シリコン半導体に変わる次世代の半導体として、ダイヤモンド半導体の実用化が期待されています。しかし、基板となるダイヤモンドの合成速度が遅いという問題があり、本研究では液中プラズマ技術を用いて、その問題を解決することを目標としています。

 今回の発表では、成膜温度によって合成速度が違うことに着目し、成膜温度と合成速度の関係を解明することで実験の再現性をより高いものにしたことが高く評価されました。

受賞した岡本さん