⼤学院理⼯学研究科の梶原智之助教らの論⽂が⾔語処理学会の論⽂賞に選ばれました。【令和5 年3⽉10⽇(⾦)】

⼤学院理⼯学研究科(⼯学系)梶原智之助教らの論⽂が、⼀般社団法⼈⾔語処理学会が発⾏する学術雑誌である⾃然⾔語処理の論⽂賞に選ばれました。本賞は、2022年に出版された同誌の論⽂の中から特に優秀と認められた論⽂に対して贈られる賞です。

本研究は、対話における「直接的な応答」と「間接的な応答」の間の⾔い換え現象に着⽬したものです。対話において⼈間は、しばしば⾃⾝の要求や意図を直接的に⾔及せず、⾔外に意図を含んだ間接的な発話によって表現することがあります。⼈間は対話相⼿から間接的な応答を受け取ったときに、これまでの対話履歴などの⽂脈に基づいて⾔外の意図を推測できます。しかし、深層学習に基づく対話モデルが⼈間と同様に間接的な応答を扱うことができるかどうかは明らかではありませんでした。

本論⽂では、対話履歴付きの英語の⾔い換えデータセットを構築し、ユーザ発話をより直接的に⾔い換えた表現およびより間接的に⾔い換えた表現の対を収集しました。そして、間接的な応答を扱う能⼒を評価するためのベンチマークタスクを設計し、最先端の対話モデルの性能を調査しました。また、ユーザの間接的な発話を事前に直接的な表現に⾔い換えることで、対話応答⽣成の性能が向上することを確認しました。

論⽂題⽬:⾼⼭隼⽮, 梶原智之, 荒瀬由紀. 対話における間接的応答と直接的応答からなる⾔い換えコーパスの構築と分析. ⾃然⾔語処理, Vol.29, No.1, pp.84-111, 2022.
論⽂:https://doi.org/10.5715/jnlp.29.84
受賞⼀覧:https://www.anlp.jp/award/ronbun.html