【プレスリリース】これまで分解しないとされていた市販の釣り糸が海洋で生分解することを発見【5月15日(木)】

ゴーストギア(漁業系プラスチックごみ)問題解決の決定打に

大学院理工学研究科の日向博文教授は、東京大学の伊藤耕三特別教授、安藤翔太特任助教らの研究グループに参画し、海洋では分解しないとこれまで共通認識されていた市販の釣り糸の中に、代表的な海洋生分解性ポリマーのセルロースと同等レベルで生分解する釣り糸が複数存在することを発見しました。

具体的には、市販されているナイロン6とナイロン6,6の共重合体の釣り糸の中で、共重合体の比率がある範囲に入る市販の釣り糸が、海洋中で生分解性ポリマーの標準物質であるセルロースと同程度の生分解性を示すことを世界で初めて明らかにしました。これは、ナイロンを非生分解性ポリマーとして扱ってきた教科書の記述や、高分子分野・水産業分野の共通認識が間違っていることを示し、これまでの常識を完全に覆すものです。

この発見を契機として生分解可能な釣り糸が世界中で盛んに利用されるだけでなく、漁網等の漁業系プラスチックの材料開発に展開が可能となることから、ゴーストギア問題の包括的解決が期待されます。

詳細はこちらからご覧ください。(愛媛大学HPへジャンプします。)

令和7年度第1回えひめ海事産業協働コンソーシアム運営会議を開催しました【4月25日(金)】

令和7年4月25日(金)、今治地域地場産業振興センターで、令和7年度第1回えひめ海事産業協働コンソーシアム運営会議を開催しました。

「えひめ海事産業協働コンソーシアム」は愛媛で学び育った高度エンジニアが、海事産業に携わり、その継続的な発展を⽀える循環を生み出すための取組みを、海事産業界、行政及び⼤学が連携して推進することにより、地域の海事産業の発展、造船技術の⾼度化の推進並びに諸課題解決に貢献できる人材養成に資することを目的として昨年11月1日付で設置いたしました。

今回は設置以来初の運営会議開催となり、活発な意見交換が行われました。

えひめ海事産業協働コンソーシアムは、今後も、地域の海事産業の発展、造船技術の高度化の推進並びに諸課題解決に取り組んでまいります。

コンソーシアム運営会議の様子

「船舶操縦制御特論」特別授業を行いました【5月8日(木)】

令和7年5月8日(木)、工学部5号館3階E531において、特別授業を行いました。

大学院理工学研究科 理工学専攻 産業基盤プログラム 機械工学分野学生向け「船舶操縦制御特論」の授業内で、株式会社新来島どっくの技術設計本部船型研究所 所長 龍 知宏氏にお越しいただき講義をしていただきました。授業ではまず新来島どっくの会社概要について説明があり、その後「造船所における研究・開発」と題し新来島どっくの研究・開発業務についてご紹介いただきました。

船が出来上がるまでの業務の進め方や新来島どっくの具体的かつ最新の研究・開発業務について説明があり、学生たちは熱心に耳を傾けていました。

会社概要説明の様子
講義の様子

【プレスリリース】AIで川ごみを自動検出・分類する新システム「PRIMOS」を共同開発【4月16日(水)】

2025年4月14日から提供開始、八千代エンジニヤリング×愛媛大学

このたび、大学院理工学研究科の片岡智哉准教授と、八千代エンジニヤリング株式会社(本店:東京都台東区、代表取締役社長執行役員:高橋 努、以下「八千代エンジニヤリング」)が共同開発した、河川表面のプラスチックごみの量を把握するほか、AI によりごみの種類を自動で検出・分類する川ごみモニタリングシステムPRIMOS(Plastic Runoff Identification, Monitoring & Observation System)が製品化され、2025年4月14日より提供開始となりました。

※片岡先生の研究成果は、環境省・環境再生保全機構の環境研究総合推進費(JPMEERF21356444, JPMEERF20231004)の支援を受けて実施されたものです。

詳細はこちらからご覧ください。(愛媛大学HPへジャンプします。)

◆「PRIMOS」について詳しく知りたい方は以下も併せてご覧ください。

八千代エンジニヤリング株式会社 NEWS
AIで川ごみを自動検出・分類する新システム「PRIMOS」を共同開発~2025年4月14日から提供開始、八千代エンジニヤリング×愛媛大学~(別サイトへジャンプします。)

PRIMOS サービス紹介(別サイトへジャンプします。)
 
イメージ図(プレスリリース資料から抜粋)

大学院理工学研究科2年生の山下智也さん、大学院理工学研究科の阿萬裕久教授、川原稔教授が「2024年度電子情報通信学会ソフトウェアサイエンス研究会研究奨励賞」を受賞しました【3月26日(水)】

令和7年3月26日(水)に大学院理工学研究科理工学専攻数理情報プログラム2年生(表彰時点では1年生)の山下智也さん、大学院理工学研究科情報工学講座 (総合情報メディアセンター)の阿萬裕久教授、川原稔教授が、「2024年度電子情報通信学会ソフトウェアサイエンス研究会研究奨励賞」を受賞しました。

山下さんらは、同年3月10日に奄美大島で開催された電子情報通信学会ソフトウェアサイエンス研究会に参加し、「Webアプリケーションのテストスクリプトに対するミューテーションの活用に関する考察~ 異常系テストの自動支援に向けた試み ~」という題目で論文発表を行いました。
同研究会の研究奨励賞は、当該年度に電子情報通信学会ソフトウェアサイエンス研究会で行われた発表のうち、研究内容およびプレゼンテーションに優れたものであって、なおかつ登壇発表者が学生(社会人学生を含む)で第一著者であるものについて著者全員を表彰するというものです。

山下さんらは、Webアプリケーションに対する異常系テストの自動化支援を目的として、プログラムのミューテーション技術を応用して人間の操作ミスを模倣したテストケースを自動生成して実行する手法を提案しました。
今日、Webブラウザを介して使用するソフトウェアは広く普及していますが、そこで起こり得る人間の操作ミスは多種多様なものがあり、それらを網羅的にテストすることの難しさが知られています。研究会では山下さんらの提案内容の新規性と妥当性、並びに将来的な発展の可能性が高く評価されて受賞に至りました。

この研究は、ソフトウェアの品質管理技術を促進する上で有用な手法の一つになると期待されます。

受賞した山下さん
賞状

大学院理工学研究科の梶原智之准教授が第32回源内奨励賞を受賞しました【3月25日(火)】

令和7年3月25日(火)、大学院理工学研究科の梶原智之准教授が、これまで取り組んできた感情分析の研究を評価され、源内奨励賞を受賞しました。

この賞は、平賀源内の偉業をたたえて設立された公益財団法人エレキテル尾崎財団が、電気・通信・機械・情報の分野で顕著な研究業績をあげた者を選考し、授与するものです。
受賞タイトルは「感情分析の日本語データセット構築および個人特化手法に関する研究」であり、日本語のテキストから書き手の感情を推定するための分析基盤の整備についての貢献が高く評価されました。

 

関連する研究成果:
[1] Tomoyuki Kajiwara, Chenhui Chu, Noriko Takemura, Yuta Nakashima, Hajime Nagahara.
WRIME: A New Dataset for Emotional Intensity Estimation with Subjective and Objective Annotations. In Proceedings of the 2021 Annual Conference of the North American Chapter of the Association for Computational Linguistics (NAACL 2021), pp.2095-2104, 2021.
 https://aclanthology.org/2021.naacl-main.169/

[2] Haruya Suzuki, Yuto Miyauchi, Kazuki Akiyama, Tomoyuki Kajiwara, Takashi Ninomiya, Noriko Takemura, Yuta Nakashima, Hajime Nagahara.
A Japanese Dataset for Subjective and Objective Sentiment Polarity Classification in Micro Blog Domain. In Proceedings of the 13th International Conference on Language Resources and Evaluation (LREC 2022), pp.7022-7028, 2022.
 https://aclanthology.org/2022.lrec-1.759/

[3] Haruya Suzuki, Sora Tarumoto, Tomoyuki Kajiwara, Takashi Ninomiya, Yuta Nakashima, Hajime Nagahara.
Emotional Intensity Estimation based on Writer’s Personality. In Proceedings of the AACL-IJCNLP 2022 Student Research Workshop (AACL-IJCNLP 2022 SRW), pp.1-7, 2022. 
https://aclanthology.org/2022.aacl-srw.1/

[4] 近藤里咲, 大塚琢生, 梶原智之, 二宮崇, 早志英朗, 中島悠太, 長原一.
大規模言語モデルによる日本語感情分析の性能評価. 情報処理学会第86回全国大会, pp.859-860, 2024. (学生奨励賞)
 https://moguranosenshi.sakura.ne.jp/publications/ipsj86-kondo.pdf

[5] 近藤里咲, 寺面杏優, 梶川怜恩, 堀口航輝, 梶原智之, 二宮崇, 早志英朗, 中島悠太, 長原一.
テキスト正規化による日本語感情分析の性能改善. 人工知能学会第38回全国大会, 4Xin2-12, 2024. (優秀賞)
 https://doi.org/10.11517/pjsai.JSAI2024.0_4Xin212

工学部工学科コンピュータ科学コース3年生の荒川花蓮さんと西田祥人さんが情報処理学会第87回全国大会で学生奨励賞を受賞しました【3月15日(土)】

令和7年3月13日(木)から15日(土)にかけて開催された、情報処理学会第87回全国大会において、工学部工学科コンピュータ科学コース3年生の荒川花蓮さんと西田祥人さんの発表が、それぞれ学生奨励賞を受賞しました。

本賞は、情報処理学会全国大会の学生セッションで発表した学生会員の中から、座長裁量で優秀な発表に対して贈られる賞です。
荒川さんは「大規模言語モデルによる観光雑誌の文章校正」という題目で文章処理のセッションにて発表し、西田さんは「大規模言語モデルが生成した記事の自動検出」という題目で自然言語処理(SNS)のセッションにて発表し、それぞれ学生奨励賞に選出されました。

論文題目:荒川花蓮, 加勢田健照, 渡部智裕, 眞鍋光汰, 梶原智之, 二宮崇, 後藤功雄.
     大規模言語モデルによる観光雑誌の文章校正. 情報処理学会第87回全国大会, pp.889-890, 2025.
論文:https://moguranosenshi.sakura.ne.jp/publications/ipsj87-arakawa.pdf
受賞一覧:https://www.ipsj.or.jp/award/taikaigakusei.html

論文題目:西田祥人, 濱本惇之介, 松浦哉太, 杉原壮一郎, 梶原智之, 二宮崇, 後藤功雄.
     大規模言語モデルが生成した記事の自動検出. 情報処理学会第87回全国大会, pp.405-406, 2025.
論文:https://moguranosenshi.sakura.ne.jp/publications/ipsj87-nishida.pdf
受賞一覧:https://www.ipsj.or.jp/award/taikaigakusei.html

大学院理工学研究科の柳本大輝さんらの論文が情報処理学会第263回自然言語処理研究会優秀研究賞を受賞しました【3月9日(日)】

令和7年3月8日(土)から9日(日)にかけて開催された、情報処理学会第263回自然言語処理研究会において、大学院理工学研究科数理情報分野博士前期課程2年生の柳本大輝さんらの研究が、優秀研究賞を受賞しました。

本研究では、言語教育や言語学習の支援を目的に、英文の難易度制御に取り組みました。既存研究は対象学年などの事前に定義された離散値によって英文の難易度を制御してきましたが、本研究では任意の連続値を用いてより柔軟に難易度制御を実現する方法を提案しました。

論文題目:柳本大輝, 梶原智之, 荒瀬由紀, 二宮崇.
     目標文難易度を連続的に制御可能なテキスト平易化. 情報処理学会第263回自然言語処理研究会, No.9, 2025.
論文:https://moguranosenshi.sakura.ne.jp/publications/nl263-yanamoto.pdf
受賞一覧:https://sites.google.com/sig-nl.ipsj.or.jp/sig-nl/%E6%8E%88%E8%B3%9E/outstanding#h.7hajsbno9nbv

大学院理工学研究科の近藤里咲さんらの論文が人工知能学会第38回全国大会優秀賞を受賞しました【7月24日(水)】

令和6年5月28日(火)から31日(金)にかけて開催された人工知能学会第38回全国大会において、大学院理工学研究科数理情報分野博士前期課程1年生の近藤里咲さんらの研究が、全国大会優秀賞(ポスター発表部門)を受賞しました。

本研究では、日本語のSNS投稿テキスト6,000件に含まれるノイズ表現を人手で正規化し、テキスト正規化が感情極性分類に与える影響を分析しました。また、33種類の正規化体系を定義し、どの正規化が感情極性分類の性能改善に寄与するのかを明らかにしました。

論文題目:近藤里咲, 寺面杏優, 梶川怜恩, 堀口航輝, 梶原智之, 二宮崇, 早志英朗, 中島悠太, 長原一.
     テキスト正規化による日本語感情分析の性能改善. 人工知能学会第38回全国大会, 4Xin2-12, 2024.
論文:https://doi.org/10.11517/pjsai.JSAI2024.0_4Xin212
受賞一覧:https://www.ai-gakkai.or.jp/about/award/jsai_award-conf/

愛媛大学工学部附属教育・研究共同利用施設設置に伴い看板上掲式を行いました【4月1日(火)】

令和7年4月1日(火)、愛媛大学工学部附属教育・研究共同利用施設設置に伴い、看板上掲式を行いました。工学部では、工学部が所管する分析機器等を活用し、工学部の教育・研究活動を支援し、地域産業の活性化と諸課題解決を推進することにより、愛媛大学工学部の教育・研究力を強化することを目的として、令和6年12月12日に「工学部附属教育・研究共同利用施設設置」を設置しました。

上掲式には、井堀春生施設長、阪本辰顕副施設長を始め、装置支援者及び運営支援者が参加しました。

井堀施設長(右)と阪本副施設長(左)
記念撮影

オープンイノベーション型プラットフォームとして、共同利用機器等を活用する「教育・研究共同利用施設」とし、工学部及び地域企業等との教育・研究活動を支援することとしており、地域の発展と諸課題解決に貢献することが期待されます。