― 今治地域と連携し、海事産業を担う高度専門人材を育成 ―
愛媛大学が申請した「愛媛大学と地域産業の協働による『海事産業を牽引する高度専門人材』育成事業」が、令和8年度大学・高専機能強化支援事業に採択されました。大学・高専機能強化支援事業は、今後の成長が期待される分野で活躍する人材を育成するため、大学や高等専門学校が行う教育組織の新設・拡充や教育研究体制の強化を支援する文部科学省の事業です。
造船業をはじめとする海事産業では、デジタル化、脱炭素化、AI・ロボット化が進む一方、人手不足や技術・技能の継承が課題となっており、産業の変革を担う高度専門人材の育成が求められています。今回採択された事業では、こうした課題に対応するため、令和9年度から大学院理工学研究科理工学専攻博士前期課程に「海事産業特別プログラム」を設置します。令和9年度は入学定員5名でスタートし、令和12年度には15名へ段階的に拡充する計画で、学生募集要項もすでに公表しています。
あわせて、自律運航、次世代燃料・電動化、船体構造・生産DXなどの分野を担う教員を新たに採用するとともに、今治サテライト近接地に実験・実習機能を備えた教育研究施設を整備します。既存の教育研究資源や産業界との連携基盤と組み合わせることで、海事産業の高度化に対応した教育研究体制を強化します。
海事産業特別プログラムでは、船舶の設計・生産・運用に関する専門知識を基盤として、AI・データ活用・センシング・制御、ロボット、環境・エネルギーなどの技術を学びます。スマート造船、船舶電動化、自律運航などの課題に対して、新たな技術を活用し、解決策を構築できる高度専門人材の育成を目指します。その教育の舞台となるのが、国内有数の海事産業集積地である今治地域です。造船所など産業現場の実際の課題をPBL(課題解決型学習)、インターンシップ、修士研究などに取り入れ、学生が企業や技術者と関わりながら、課題の発見から分析、検証、実装までを実践的に学びます。
本学では、令和8年度に工学部に「海事産業特別コース」を設置しており、今回の大学院プログラムの設置により、学部から大学院まで一貫した海事人材育成を進めます。さらに、「えひめ海事産業協働コンソーシアム」などを通じて企業、自治体、教育機関等との連携を強化し、高校・高専から大学・大学院への接続や、社会人技術者のリスキリングにも取り組みます。
本事業を通じて、今治地域の産業界と連携した教育研究拠点としての機能を強化し、我が国の海事産業の持続的な発展と競争力強化に貢献していきます。

事業計画の概要
※参考:
令和9年度 理工学研究科(博士前期課程)海事産業特別プログラム総合型特別選抜(4月入学・9月入学)」学生募集要項を発表しました | 愛媛大学