令和7年11⽉1⽇(⼟)、愛媛⼤学⼯学部において「建築・社会デザインコース設⽴記念/伊東豊雄先⽣客員教授就任記念講演会」を開催し、学⽣や教職員、建築関係団体、地域住⺠など約200名が参加しました。
本講演会は、本学⼯学部に新設された「建築・社会デザインコース」の設⽴を記念するとともに、世界的建築家である伊東豊雄⽒の愛媛⼤学客員教授就任を祝して実施したものです。 建築を通じて地域社会と共に新しい価値を創造していくことを⽬的とし、愛媛県他、建築関連団体などの協⼒のもと開催されました。
開会にあたり、仁科弘重学⻑の挨拶の後、⽇本建築学会会⻑の⼩野⽥泰明⽒(東北⼤学⼤学院教授)による講演が⾏われ、人口減に苦しむ日本における地域に根差した建築教育の意義と学会・大学・実務が連携する重要性が示されました。続いて、愛媛大学大学院理工学研究科環境建設⼯学講座⻑の三宅洋教授より、新コースの説明を⾏いました。
その後、伊東豊雄⽒による基調講演が⾏われ、「瀬⼾内から次代の建築や⽣活を考える」 をテーマに、戦後の瀬⼾内のモダニズム名建築群の成り⽴ちからはじまり、愛媛県今治市⼤三島における実作や活動の紹介、最近の国内の代表的な建築事例を交えながら、地⽅だからこそ出来る建築や⽣活の在り⽅について語られ、参加者は熱⼼に⽿を傾けていました。
講演終了後に、建築・社会デザインコースより伊東豊雄氏に感謝状を贈呈し、伊東豊雄氏より建築・社会デザインコースにサイン⼊り著書「誰のために 何のために 建築を つくるのか」と「この社会に、建築は、可能か」をご寄贈頂きました。頂いた著書は学⽣教育に活⽤いたします。
また、「卒業設計 伊東豊雄賞」を新たに設⽴することが発表されました。 本賞は、伊東豊雄氏の建築思想と創造性に学び、 地域や社会に新しい価値をもたらす学⽣の挑戦を顕彰するものです。 初回の授与は、2029年度の卒業設計講評会において⾏う予定です。
第⼆部のパネルディスカッションでは、伊東豊雄⽒、⼩野⽥泰明⽒に加えて、愛媛県観光スポーツ⽂化部⽂化局⻑の⻘野陸⽒と、建築・社会デザインコースの教員である愛媛大学大学院理工学研究科環境建設工学の⽮野寿洋准教授が登壇し、「愛媛・瀬⼾内の可能性・魅⼒について」や「愛媛⼤学の建築教育に期待すること」 について活発な意⾒交換が⾏われました。特に愛媛⼤学の建築教育への期待として、ものづくりの重要性やより良い建築をつくろうとする⾏政職員の輩出があげられました。 閉会にあたり、森脇亮⼯学部⻑から、「この講演会が、建築教育と地域の未来を結ぶ新たな出発点となることを願っています」との挨拶がありました。
愛媛⼤学⼯学部では、今後も地域と協働し、持続可能で創造的な社会の実現に貢献する教育・研究活動を推進してまいります。
