令和7年6月5日、大学院理工学研究科の中畑和之教授が、茨城大学の車谷麻緒教授とともに日本計算工学会第30回計算工学講演会グラフィクスアワード優秀賞を受賞しました。この賞は、計算工学講演会論文集に掲載された論文に含まれるコンピュータグラフィクスのコンテンツの中から、選考委員会による選考の結果、優秀と認められたものに「グラフィクスアワード」(最優秀賞、優秀賞、動画賞、特別賞)が授与されます。
今回受賞したコンテンツは、車谷教授が主導して研究を進めているコンクリートの詳細形状の再構成(メゾスケールモデリング)の3D可視化に関するもので、中畑教授はこのモデルを波動シミュレーションに応用して、非破壊検査の研究を行っています。
コンクリートという極めて不均質な材料について、実測確率分布に基づいて詳細な内部構造を再構成するだけでなく、従来の均質化モデルでは捉えきれなかった波動散乱・減衰、さらには損傷進展やひび割れ分布のメカニズムを、物理的根拠に基づいて解析・定量化することを可能とするものであり、今後の構造物の健全性評価や維持管理技術の高度化に資する重要な研究の成果です。