愛媛大学大学院理工学研究科博士前期課程1年生の峯久朋也さんがBest Student Paper Awardを受賞しました【6月21日(月)】

 令和3年6月21日(月)、大学院理工学研究科博士前期課程電子情報工学専攻1年生の峯久朋也さんが、オンライン開催の国際会議「The 18th IEEE/ACIS International Virtual Conference on Software Engineering Research, Management and Applications (SERA2021)(オンライン開催)」において、「Best Student Paper Award」を受賞しました。
 受賞した論文は、「A Comparative Study of Vectorization Approaches for Detecting Inconsistent Method Names」(共著者:愛媛大学総合情報メディアセンター阿萬裕久准教授、川原稔教授及び岡山県立大学横川智教准教授)です。

 峯久さんらは、ソフトウェア(プログラム)における適切な名前付けに関する研究を行っています。今回の論文では、メソッド(Javaプログラムにおける処理手続き・関数のこと)に対して適切な名前が付けられているかどうかを、メソッドの内容(プログラム)から自動判別する手法について、その処理時間の短縮に向けた複数の提案と評価実験の報告を行いました。
 ソフトウェアにおいて、メソッドといった要素には人間がその処理内容を反映した名前を自分で付ける必要があるのですが、時としてそれが不適切であり、そのことが原因でプログラムの理解や保守が妨げられることがあります。それゆえ、名前の適切さを評価する仕組みが必要となり、近年では自然言語処理と機械学習を活用した手法が活発に研究されています。そのような自動評価手法を実践するにあたり、評価モデルの構築には長い時間を要するため、頻繁にモデルを更新する(最新版に保ち続ける)のが難しいという課題がありました。
 峯久さんらは、その課題解決に向けて、より軽量な手法を代替案としていくつか挙げ、それらで処理の重い部分を代用することで、より簡単に評価モデルを最新に保ち続けることができないかと比較実験を行いました。その結果、代替案の1つを用いることで、従来と同程度の精度の判定モデルを約14倍高速に構築可能であることを確認しました。

 この研究は、ソフトウェアの品質管理技術を促進する上で有用な手法の1つになると期待されます。

理工学研究科 峯久朋也さん
Best Student Paper Award