令和4年3月9日(水)に開催された「第27回溶接学会四国支部講演大会」(オンライン開催)において、大学院理工学研究科物質生命工学専攻博士前期課程2年生の坂田 健太郎さん (指導教員:大学院理工学研究科(工学系)水口 隆 准教授)が、「優秀発表賞」を受賞しました。受賞した講演題目は「パルスガスMAG溶接法における溶滴移行形態に及ぼす溶接条件の影響」です。
坂田さんの研究グループでは、炭酸ガスアーク溶接におけるスパッタ低減のため、二重のシールドガスで溶融池を大気から保護することができる構造のノズルを用い、内側のノズルにArガスを間欠的・周期的に添加し、アーク柱内のガス組成を周期的に変化させる「パルスガスMAG溶接法」を開発し、特許を取得(特許第6711971)しています。この溶接法を用いてAr添加条件を適切に選択すれば、Ar添加1周期に対し、アーク柱内のガス組成がAr主体である期間に1溶滴だけの落下(同期)とすることができ、スパッタを低減することが可能です。アーク溶接では、溶接する部材や方法に応じて様々な溶接条件を用いることから、坂田さんは、同期条件に与える溶接条件の影響について解明しました。本研究結果は、パルスガスMAG溶接の社会実装に大きくつながります。
坂田さんの発表の際の声量と話す早さ、スライドのわかりやすさ、質疑応答での適切な回答及び研究成果の社会的波及効果が評価され、今回の受賞に至りました。