大学院理工学研究科博士前期課程2年生の中岡 典弘さんが電子情報通信学会ディペンダブルコンピューティング研究会の第7回研究会若手優秀講演賞を受賞しました。

 令和2年11月17日,大学院理工学研究科博士前期課程2年生の中岡 典弘さんは,昨年の11月13日(水)-15日(金)に愛媛県男女共同参画センターで開催された「デザインガイア2019 ~VLSI設計の新しい大地~」において発表した論文が,電子情報通信学会ディペンダブルコンピューティング研究会(以下DC研究会)の第7回研究会若手優秀講演賞を受賞しました。
 本賞は,毎年6月1日より翌年5月31日までに開催されたDC研究会が主催する研究会において特に優秀な講演(総講演件数の上位5%)を行った33歳未満の若手研究者や技術者を対象に,DC研究会若手優秀講演賞が与えられます。
 講演論文では,先進自動運転システム向けの車載大規模集積回路の高度な品質を保証するために開発されている,マルチサイクルテストスキームを用いたパワーオンセルフテストにおける故障検査の困難さの問題を解明しています。具体的には,テストサイクル数の増加に伴って被検査回路自身が生成するテスト用データが,新たな縮退故障を検出することが困難となる「故障検出能力低下問題」に対して,確率ベースのテスタビリティ評価尺度を利用して,故障検出能力低下問題のメカニズムを解析しました。なお,本研究成果は,王 シンレイ 講師,樋上 喜信 教授,高橋 寛 教授の研究チームがルネサスエレクトロニクス株式会社と取り組んでいる共同研究「先進自動運転システムの機能安全強化技術」の一部です。

受賞した中岡 典弘さん

【受賞論文】

中岡典弘, 青野智己, 工藤壮司, 王 森レイ, 樋上喜信, 高橋 寛(愛媛大), 岩田浩幸, 前田洋一, 松嶋 潤(ルネサスエレクトロニクス), “確率ベース手法を用いたマルチサイクルテストにおけるキャプチャパターンの故障検出能力低下問題の解析”,信学技報 119(282), 145-150, 2019-11-13