このたび、愛媛大学大学院理工学研究科の水口 隆 准教授及び小原 昌弘 客員教授の研究グループは、川田工業株式会社および株式会社神戸製鋼所と共同で、一般社団法人溶接学会溶接法研究委員会の「令和2年度溶接アーク物理研究賞」を受賞いたしました。
同研究グループでは、過日、溶接部を大気から保護するための炭酸ガスからなるシールドガス中に、空気砲の様にパルス状にした微量のアルゴンガスの塊を1秒間に50回程度投入することによって、溶加材の溶融状況を小滴化し、スパッタの発生を大きく低減させる新しい溶接技術を開発し、特許を取得(特許6711971)しました。この溶滴移行制御が可能なアルゴンガス添加条件範囲を検討した「パルスガスMAG溶接法の開発-溶滴移行制御のためのArガス添加条件の実験的検討」と題した共同研究内容が、このたび、一般社団法人溶接学会溶接法研究委員会において溶接における物理現象の解明と溶接技術開発に関して高く評価されたため、受賞に至りました。
愛媛大学工学部及び理工学研究科では、地域産業と大学の研究との連携をより一層強化し、地域産業の課題解決に貢献していく体制を構築中です。今後も溶接の高能率化に向けた研究開発に取り組み、地域産業の課題解決と地域産業の国際競争力の強化に寄与します。