工学部教育貢献賞

工学部教育貢献賞推薦書
コース名:機械工学コース
推薦対象者:岩本 幸治 職名:特任講師
推薦者(コース長):豊田 洋通

表彰の対象となる教育活動の内容と推薦の理由

 対象者は機械工学科3年生対象に開講している機械工学実験において,Moodle2の小テスト機能を利用したオリジナルの自主学習課題を提供し,教育内容を充実させた.この課題では,データ整理の方法,実験機器の使い方,安全教育など実験に関わる基本的事項を網羅している.従来の機械工学実験では実験の実施とレポート作成に重点を置いていたため,本課題で与える基本的事項に対する系統的な教育ができていない部分もあった.全学生がこれら基本的事項を習得済みで機械工学実験に取り組めば問題はないが,不得意とする学生も少なからずいる.そのため,機械工学実験で得るべき知識や技術の習得が非常に困難になる場合があるという問題も生じている.この問題を解決するため,できるだけ効率よく基本的事項を身につけ,機械工学実験で示している学習目標に確実に到達できるよう,対象者はMoodle2による本課題を機械工学実験に導入した.課題には学生のウィークポイントを補強する問題が選定されており,これらの選定は対象者のこれまでの学生との対話,教員間の情報交換の経験に基づいている.今年度から運用が始まってまだ日が浅くはあるが,受講した学生からは本課題に取り組むことで早めに知っておいて良かった知識が得られたという意見もあった.Moodle2を利用しているため,評定機能によって学生の理解度に関するデータベースを自動的に得ることができる.このデータベースには機械工学実験担当の全教員がアクセスすることができる.そのため,教育方法に関する教員間の情報交換がこれまで以上に活発になり,いま受講している学生に適切な質の高い教育を行うことができるようになった.以上のことから,対象者の活動は今後の工学教育の向上に大いに貢献すると考え,対象者を工学部教育貢献賞に推薦する.