工学部教育貢献賞

工学部教育貢献賞推薦書
コース名:環境建設工学コース
推薦対象者:氏家 勲、中畑 和之、木下 尚樹 職名:順に教授、教授、講師
推薦者(コース長):日向 博文

表彰の対象となる教育活動の内容と推薦の理由

“エンジニアリングデザイン能力と協働活動ができる能力の育成を目的としたPBL科目「橋梁工学演習」の立ち上げと改善の取組”

 環境建設工学科では2005年度からJABEE認定を受けているが、当初の審査結果においてデザイン能力の育成に関する各科目に関してDPとの対応や総合化能力の育成に懸念があり、改善が望まれるとの指摘を受けた。そこで2011年度の学科の改組で環境建設デザイン演習Ⅱ(現在の橋梁工学演習)を新設した。この科目では模型ではあるが、耐荷力や環境への調和を考慮した橋梁を設計・製作し、コンテスト形式で構造性能、景観、経済性などを評価することを目的とし、その過程においてデザイン能力の育成を目指すものである。また、2012年度からJABEEの認定基準にチームで仕事をするための能力が追加されたが、この科目は新基準にも対応している。

 橋梁設計では、卒業後の実務応用を考慮してBIM(Building Information Modeling)と連動したCADソフトを使用して、建設ITを先駆的に取り入れている。また、平面CADから立体CADへ拡張するまでを包括的に講義し、学内PC室にて全員にハンズオン教育を実施している。背景や周りの環境と融合した土木構造物をデザインし、意匠説明のための景観パースを作成させることで、デザイン能力の育成に努めている。橋梁模型作製では8名程度のグループ(10班)で、与えられた制約条件(橋梁規模、経済性、材料、景観・環境)のもとで橋梁模型を作製し、意匠(景観およびコンセプト)、耐力(橋梁の性能)を審査基準としてコンペ方式にて競わせることで、専門的知識とそれらを応用する能力の育成を図っている。ここで、グループ内ではリーダー、会計、プレゼン、作製等の役割・責任分担を明確にして計画的・自主的に設計・製作を進めることで、恊働活動能力の育成を図る工夫をしている。学生からは、設計したものを実際の形にすることの大変さ、同じ制約条件でも考え方に多様性があることを実感できたことや役割分担を明確にしたことにより責任感と積極性をグループワークに取り組めたことなど高い評価を受けている。

 以上のようにこの科目は、環境建設学科の学生のデザイン能力および協働活動の育成に大きく貢献するものと考えら、その科目の立ち上げと改善に取り組んでいる候補者3名は標記教育貢献賞を受賞するに値すると判断し、受賞候補者として推薦致します。