工学部教育貢献賞

工学部教育貢献賞推薦書
コース名:電気電子工学コース
推薦対象者:山田 芳郎 職名:教授
推薦者(コース長):岡本 好弘

表彰の対象となる教育活動の内容と推薦の理由

1.活動内容

 本対象者は,学科内で最も多くの科目を担当するだけではなく、専門科目の新規開講や既存科目の授業内容の再設計にも積極的に取り組み、学部および博士前期課程の教育課程の充実に貢献して来ている。これらの授業科目には、信号処理、センサ工学、情報通信システムI (旧情報理論)などの専門科目のみならず、電気電子数学II(確率論とフーリエ解析)、技術英語、技術英語プレゼンテーション(大学院)などの数学系および英語系の科目が含まれる。

 総合情報メディアセンターの前身の計算機センターの時代から、学内ネットワークの第一世代の FDDIから、第二世代(ATM-LAN)、第三世代(Gigabit Ethernet)に渡って、学内 LANの仕様策定に貢献してきており、情報メディアセンターによる Moodle サービス運用開始以前から、独自のサーバ(Xoops)による eラーニングの導入に取り組んで来た。これらの運用経験による知見は、電気電子工学科内において、教育する側のメディアリテラシーの向上に貢献して来ている。

 さらに近年は、数学的な基礎学力が重要となる専門科目においては、ホームワーク課題による授業時間外学習の量的担保と数学・計算能力の向上に尽力している。また、統計的な分析を加えつつ、問題設定および問題文を丁寧に改良し、10年以上の長期に渡って、内容の充実とレベルの向上を継続的に実現している。

 たとえば、3年次の信号処理では、受講生に全12回のホームワーク課題の提出が課されるが、毎週提出される 1クラスあたり100名程度のホームワーク課題の答案を自ら採点し、翌週には返却、かつ計算のプロセスや考え方を含む詳細な解答例をPDFファイルで受講生に配布している。これらは全て新規に作問したオリジナルの問題である。また、2年次の情報通信システムIおよび3年次のセンサ工学についても、同様な授業を行っている。

2.推薦の理由

 上に述べたような教育方法についての成果は、若い世代の教員に受け継がれつつあるが、電気電子工学科の教育課程の今後の発展に寄与することが大いに期待できる。 従って、山田芳郎氏を,工学部教育貢献賞を受賞するにふさわしい人物として推薦致します。