工学部教育貢献賞

工学部教育貢献賞推薦書
コース名:電気電子工学コース
推薦対象者:井上 友喜 職名:准教授
推薦者(コース長):門脇 一則

表彰の対象となる教育活動の内容と推薦の理由

1.教育活動の内容

 工学部学生に対する数学教育における履修前教育の充実

 本対象者は,微分方程式や関数論といった必修やそれに準ずる科目の履修登録開始前から,それらの科目の受講に必要な既習事項を復習させるための課題を提供している。これは,講義時間中に履修開始前の内容の復習のために多大な時間を取られることを避けるための取り組みであり,単位の実質化の観点からも重要である。提供されている課題の小冊子は,単なる問題集ではなく,各問題の後に,「今後の学習のために」という欄が設けられており,そこには,出題意図,これから学習する内容との関連や理解しておくべき事項,注意事項などが書かれている。このようにすることにより,学習意欲を高めるとともに,履修開始後にも課題の小冊子を活用できるようにしている。また,本対象者は,このような取り組みとその効果を,本学で発行している大学教育実践ジャーナル第11号において紹介している。

 さらに,本対象者は,電気電子工学科の推薦入試(工業に関する_課程対象)の合格者に対する入学前教育においても,1回生対象の微積分Iの講義担当者としての視点から,入学前に学習しておくべき内容を指示した書面を作成している。その書面では,入学前の学習課題が入学後の学習に直結していることを認識させるために,入学後に微積分Iで使用するテキストの中から,高等学校の普通科で通常学習している部分を示し,その部分を理解した上で,指定した問題の解答をレポートにして提出するように求めている。

2.推薦理由

 本対象者は,上記のように担当講義の履修開始前から教育を始めていることに加えて,担当講義のすべてで,毎回の講義内容に関連した課題のプリントを配付している。そのことが,多くの学生にとってわかりやすい授業に結びついていると思われ,過去に実施した授業アンケートでの評判もよい。担当コマ数も多く,学科での数学教育に対する貢献は極めて大きい。

 以上の理由により,井上友喜氏を,工学部教育貢献賞を受賞するにふさわしい人物として推薦致します。