工学部教育貢献賞

工学部教育貢献賞推薦書
コース名:応用化学コース
推薦対象者:伊藤 大道 職名:助教
推薦者(コース長):朝日 剛

表彰の対象となる教育活動の内容と推薦の理由

 近年、学生の文章力の低下が問題になっている。伊藤助教を中心とする工学部応用化学科と教育・学生支援機構教育企画室のチームは、応用化学科の学生を対象に「相手に伝わる文章」「説得力のある文章」を書くスキルアップを目的とした新たな教育プログラムを開発し、平成25年度から実施を始めた。本教育プログラムの特徴は主に次の3点である。①実験レポートという専門性の高い文章を題材とした実践的な文章演習であること。②新入生セミナーと初年時から3年次までの学生実験科目まで、学年をまたいで長期にわたって実施することによって、個々の学生について能力向上と教育効果を継続的にフォローすること。③ピアレスポンスやルーブリック評価などの先進的な教育手法を積極的に採用していること。なお、現行では応用化学科のカリキュラムに合わせた内容で実施しているが、本プログラムの基本構成は、文章を書くことが対象であれば、他学部各学科のカリキュラム等に合わせたアレンジも容易なものとなっており、今後の波及効果の高さも期待できる。

 本プログラムは愛媛大学教育改革推進事業(愛大教育GP)に採択されている(課題名「学部専門教育における文章作成の実践的演習と追跡評価システムの構築」)。評価も高く、本年3月の「愛媛大学教育改革シンポジウム」においては口頭発表に選ばれ、その内容は愛媛新聞(3月6日付)に掲載された。本プログラムの効果は長期的に評価しなければならないが、授業アンケートからは能力の伸びを実感している学生が多く、教員からは「例年に比べてレポートをしっかりと書こうとする姿勢が見られる」という声もあり、成果を上げていることがわかる。

 上記プログラムは、伊藤大道助教が中心となって立案、企画、開発されたものであり、実施、運用においても同助教が中心となり、応用化学科のみならず教育企画室をも巻き込んだマネジメントをしている。伊藤助教の本教育プログラムへの貢献度は突出しており、工学部教育貢献賞に推薦するものである。