工学部教育貢献賞

工学部教育貢献賞推薦書
コース名:電気電子工学コース
推薦対象者:門脇 一則 職名:教授
推薦者(コース長):津田 光一

表彰の対象となる教育活動の内容と推薦の理由

  1. 活動内容

     本対象者は,学生の学習動機を高めるための教育活動として,「演示装置を用いた疑似体験学習」と「補助教材としての学習ノートの活用」を実践している。この二つの手法を積極的に講義に取り入れることにより,受講生の学習意欲と理解度の向上に努めている。
    本対象者は電気回路や過渡現象の講義を担当するにあたり,実験盤上の配線とオシロスコープの画面の両方を,教室のスクリーン上に投影できる演示装置を製作した。教壇で電気回路を配線する様子をカメラで見せながら,その回路の応答をリアルタイムで計測・表示することにより,受講生は一緒に実験をしているような感覚で講義に参加することができる。この装置は専門科目の講義だけでなく,他学科向け授業(電気電子工学概論)や共通教育などでも威力を発揮している。本対象者は,この装置以外にも数多くの演示装置を自作しており,講義の内容に応じてそれらを上手に活用している。
    さらに対象者は,担当する全ての講義において,補助教材として学習ノートを学生に提供している。学習ノートには,教科書の内容を理解する上で必要な知識や考え方が書かれているだけでなく,理解を確かなものにするための予習課題,復習課題が盛り込まれている。講義開始時に手渡したときの学習ノートは未完成の状態である。講義の中で,学生自らが加筆することにより補助教材として完成するようになっている。

  2. 推薦の理由

     過去に実施された授業アンケートの結果によると,本対象者に対する学生の評価結果は極めて高く,学科内で常に上位に位置していた。この事実は,演示装置や学習ノートの活用が,学生の学習動機の向上につながっていることを示唆している。担当科目数も多く,教育面での学科に対する寄与は大である。
    以上の理由により,門脇一則氏を,工学部教育貢献賞を受賞するにふさわしい人物として推薦致します。