分子科学コース
本コースでは,電子レベルで解明される分子の物理的化学的性質から巨視的な分子集団の静的動的性質に至るまで,分子にかかわる現代科学の基礎と最先端を学びます。本コースは,物理化学,構造化学,分析化学,無機化学,有機化学,生化学,環境化学など,化学の諸分野を中核に擁し,物性物理学,生物学,医学,農学,工学と緊密に繫がっています。高いレベルの基礎的講義と分子科学の最先端を学ぶセミナーを通して学識の拡張と深化をはかり,応用力を増進します。研究の面では,高速化学反応論,分子磁性,光・分子相互作用,高機能性有機化合物の新規合成,タンパク質のバイオ分析法の開発,生体分子の構造と機能を解明する遺伝子操作,新機能性生体分子の創製,未発見の天然生理活性物質の探索,環境汚染物質の生物濃縮機構と時空間分布の解明など,世界をリードする研究の最前線に立って研究の進め方を学び,未知を拓く鋭敏な洞察力を培います。
コースホームページ
▼物質機能科学分野
色々な実験条件(極低温,高圧,光照射等)における各種物質の諸変化(解離,電離,会合等)の素過程を追究し,その生成(電子,イオン,原子,ラジカル,結晶等)の特性や相互作用などを解析しています。また,これらの研究をもとに,新規な機能をもつ化合物の合成を行っています。
教員名と研究内容 |
新規多孔質金属酸化物の合成と吸着剤・触媒としての機能設計 |
高橋 亮治 |
キラル金属錯体の機能化の研究 |
※ 佐藤 久子 |
低次元固体の物性評価と新機能探索 |
内藤 俊雄 |
励起状態分子・短寿命ラジカルの性質,反応およびスピンダイナミクス |
小原 敬士 |
機能性分子固体における相互作用の解明と高圧物性 |
山本 貴 |
気体および表面分子の内殻電子励起ダイナミクス |
垣内 拓大 |
粒子形態を制御した金属酸化物の合成および不均一触媒反応としての応用 |
佐藤 文哉 |
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※は2023年3月31日定年退職予定の教員を示す。
▼生命物質科学分野
有機化学,生物化学,分析化学,環境化学等の従来の化学の有機的な相互協力により,自然現象,特に生体機能の由来する要因を分子レベルで理解するための研究を行っています。具体的には,分子性高機能物質の有機合成による創製とその分子構造の解析,タンパク質の構造・機能解析等のバイオ分析,生体内の情報伝達のレセプター機能の人工化,人工金属酵素,生命体の環境適応の分子機構,生体内の微量化学分析等について研究しています。
教員名と研究内容 |
生理活性化合物および高機能性有機色素材料の合成研究 |
宇野 英満 |
ホルモン様活性を有する新規環境汚染物質の分析法開発と環境毒性学への応用 |
国末 達也 |
タンパク質の分子レベルでの特性・機構解明およびナノ分析研究 |
座古 保 |
機能性を有する新規有機化合物の合成,構造と物性に関する研究 |
谷 弘幸 |
生体酵素の活性と構造の網羅的解析に関する研究 |
島﨑 洋次 |
光化学系Ⅱ複合体の分子構造と機能に関する研究 |
杉浦 美羽 |
無細胞生命システムを利用した新しいバイオテクノロジーの開発 |
小川 敦司 |
海洋生物の産出する生物活性物質の構造と機能に関する研究 |
倉本 誠 |
新規機能性π電子有機材料の合成と機能開発 |
奥島 鉄雄 |
新しいπ電子系化合物の合成と機能開拓 |
高瀬 雅祥 |
π共役分子を用いた新奇な金属錯体の合成と物性 |
森 重樹 |
野生生物に残留する有機ハロゲン化合物の体内動態とリスク評価 |
野見山 桂 |
水圏環境に残留する未規制人工化学物質の生物濃縮性
および生態影響の評価 |
田上 瑠美 |
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